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2012年04月06日23:24

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インキネン&日本フィル@サントリー・ホール

今日は久しぶりのオーケストラ。
フィンランドの若きマエストロ、ピエタリ・インキネンと日本フィルによるマーラー撰集の第3回。おそらく最終回なのだろう。本来は4回目のはずだったのだが、2回目が抜けた。震災の影響でインキネンの訪日許可が下りなかったということだったそうだ。
このインキネン、マーラーを上手く振るのでシリーズがここで終わってしまうのは残念だ。

01.シベリウス:劇音楽『クオレマ』
  ・カンツォネッタ
  ・ロマンティックなワルツ
  ・鶴のいる風景
  ・悲しきワルツ
<休憩>
02.マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調

まずインキネンにとってはお国もののシベリウス。
実はこのシリーズのコンセプトはマーラーのシンフォニーとシベリウスのあまり演奏される機会のない管弦楽曲とをカップリングするというもの。
小さな編成で奏でられる『クオレマ(死)』は『悲しきワルツ』のみが有名。
タイトルどおり暗く静かな曲が多い。私は好きだが、一般的人気を得るにはちょっと厳しいかもしれない。シベリウスはマーラーとは違ったアプローチで死と向かい合った作曲家だったのだなと改めて思う。

さて、マーラーの5番だが、マーラーのシンフォニーの中で一際人気も高く演奏機会も多い曲と言えるだろう。マーラーにしては70分かからない短めの演奏時間(あくまでもマーラーにしては、である。ほかの作曲家であれば特大交響曲である)、特殊な楽器や声楽が入らない、有名なアダージェットが含まれている、といったことがプログラムに乗せやすい理由なのかもしれない。そうしたことも含めて、マーラーのシンフォニーの中では聴きやすいということなのだろう。

インキネンはヴァイオリニストとしても相当な腕らしく、そのためか弦を鳴らすのが上手いという印象だ。
トランペットの独奏で始まるこの曲は、首席トランペット奏者泣かせとも言えるし、腕の見せどころとも言える。なかなか見事な演奏だった。
ホルンとクラリネットが今ひとつ安定していないようだったが、そうした細かいところはあまり気にならないくらいの名演だったように思う。
最近流行りの淡白なマーラーではなく、情感の振幅が大きい。インキネン、意外に濃い音楽を作る。
彼はこの曲のキモが第3楽章であることを良くわかっている。だいたいこの楽章でだれる演奏が多いのだが、インキネンは終始緊張感を持たせつつ、歌心豊かに振りきった。
だからこそ続くアダージェットが映えるのだ。やや速めのテンポのように思えたのだが、実際はそうでもなかったのかもしれない。

いい演奏だった。インキネンの指揮ぶりも踊るように優雅だ。

マーラー撰集は終わってしまったが、来年にはシベリウスの交響曲全曲演奏プロジェクトが始まる。それを楽しみに待ちたい。
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