早いものでもう最終日。
荷物を持ってチェックアウト。旅の終わり、淋しさを感じる瞬間でもある。
駅のロッカーに荷物を預け、駅構内のキリンシティへ。仙台まで来てキリンシティかよ、と思わなくもないが、軽く朝を食べるにはちょうどいい。で、ついビールを飲んでしまうんだけどね。
朝のビールは効くんだな、これが。
イケナイことをしているようでとっても素敵な感覚。
で、早めに会場に出向いて、休憩所でコーヒーを飲む。
ネルソン・コーヒーというのが出店していて、仙台では有名なコーヒー屋さんらしい。
確かに酸味を抑えた強い苦みがいい感じだ。
そこにマイミクさんご夫妻も訪れ、しばし談笑。最初の公演は同じものを聴くということで、早々に並びに行ったらすでに長い列。日曜ということもあって、出足が早いようだ。
【川久保賜紀&河村尚子@仙台市青年文化センター パフォーマンス広場】
〜 ベルリンから駆けつける川久保賜紀 バッハの響き 〜
共演者の河村尚子(ピアノ)、ずっと気にはなっていたのだが、なかなか聴ける機会がなく、ここで思いもかけず聴けるのはラッキーとしか言いようがない。マイミクさんの旦那さんがかなり入れ込んでいるようで、さらに期待が募る。
01.バッハ:シャコンヌ(ヴァイオリン・ソロ)
02.リヒャルト・シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ
<アンコール>
03.村井邦彦:つばめが来る頃
相変わらず細身のドレスで賜紀ちゃん登場。いきなりアイ・コンタクトでニコッとされてしまった。。。
シャコンヌが肩ならしかい、と思うほどリラックスした演奏。それでも適度な緊張感があって、しかも抒情的でなかなかよかった。完成度は一昨年よりも上がっていたと思う。
メインはリヒャルト・シュトラウスのソナタ。また珍しいものを持ってきたものだと思う。
若い頃の作品でロマン的な雰囲気が濃厚である。最近取り上げる奏者が増えているようだ。南紫音ちゃんのCDで知っている曲だが、生で聴くのは初めてだ。
正直に言うと、どちらかというとシュトラウスは苦手なのだが、この曲は良い。若い頃のシュトラウスはあまり独善的な面が出ていないくて親しみやすい。
賜紀ちゃん、さすがの力演。ダイナミックかつリリカルに展開してみせた。ことに第2楽章の切ないような歌心は鳥肌ものである。
賜紀ちゃんは立ち姿がカッコいい。弾いているときの眉根を寄せた悩ましげな表情が素敵だ。
スケールが大きな演奏になっていたのは河村尚子さんのピアノによるところも大きかったと思う。剛柔併せ持つピアニストだと感じた。さすがの逸材である。コンチェルトが映えそうなピアニストだという印象。
一度聴いてからということで買っていなかったCDをゲット。最新盤はシューマンとショパン。もちろんサインもいただいた。
アンコールはメロディーがとっても綺麗な曲。
しかし、賜紀ちゃんの笑顔はヤバイね。あの可愛らしい笑顔は人の心を捕らえるよ。
【遠藤真理&三浦友理枝@仙台市青年文化センター 交流ホール】
〜 遠藤真理のチェロが奏でる癒しのメロディーに包まれる至福の時 〜
初日に続いて、真理ちゃんと友理枝ちゃんのデュオ。
今回のせんくら、残念なことといえば、トリオでのステージがなかったことだな…。
01.サン=サーンス:白鳥
02.ヴィラ=ロボス:黒鳥の歌
03.ドビュッシー:月の光
04.ファリャ:火祭りの踊り
05.メンデルスゾーン:無言歌 ニ長調 作品109
06.ラフマニノフ:ヴォカリーズ
07.ポッパー:ハンガリー狂詩曲
08.ウェーベルン:チェロとピアノのための3つの小品 作品11
09.ウェーベルン:チェロとピアノのための2つの小品
10.リヒャルト・シュトラウス:チェロ・ソナタより、第1楽章
初日とは若干プログラムが異なる。
真理ちゃんのチェロの鳴りがいい。やはり初日は暑すぎたのだろう。この日は気持ちよく弾けたようだ。
『ヴォカリーズ』はずいぶん高速だったなあ。
しかし、やはりウェーベルン。
この日は若書きの作品番号のない2つの小品も披露。こちらの方はずいぶん聴きやすい。まだ明確なメロディーラインが残っているし、聴き手も音楽として認識しやすかったのではないか。
最後のシュトラウスのソナタの前に時間オーバー。ということで10分以上延長して終了。
第1楽章のみでは前菜だけで終わってしまったような感じだが、この続きは12月の「B→C」で。
友理枝ちゃんのピアノはやっぱり音の粒立ちがいいなあ。
次の公演まで間がないので、挨拶もそこそこに次に向かう。
そういえば、せんくらの前に最後に友理枝ちゃんと話をしたのは6月のヤマハホールだったはず。このときはまだせんくら開催も未定だった頃だ。8月のコンチェルトのときは会えなかったから、仙台に行くとは伝えていなかったはず。それなのに少しも意外そうな顔をしなかったな。
やはりアイツ、われわれが仙台に来るのは当然だと思ってるな…。
【イリーナ・メジューエワ@仙台市青年文化センター パフォーマンス広場】
〜 ロシアの妖精、メジューエワの『月光』、シューベルト、リスト 〜
01.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番『月光』
02.シューベルト:即興曲 作品90−2
03.シューベルト:即興曲 作品90−3
04.シューベルト(リスト編):水車職人と小川
05.シューベルト(リスト編):連祷
06.リスト:エステ荘の噴水
<アンコール>
07.ラフマニノフ:プレリュード
前日のトークで大和撫子ぶりが炸裂したメジューエワ。
『月光』が素晴らしかった。素晴らしすぎると言ってもいい。自然なテンポ。まるで呼吸をしているリズムのように、アゴーギクもルバートも自然である。
終楽章のスピード感もかなりのもので(実際にはそう速いわけではない)、見事にクライマックスを築いていた。第1楽章に意味を持たせすぎて尻すぼみに破綻してしまう演奏が多い中、いい意味できっちり計算された演奏と言えよう。
これは名演だ、と唸ったのも束の間、次のシューベルトはさらに素晴らしかった。。。
まったく、このピアニストはどれだけのポテンシャルを持っているんだか…。
もちろん『エステ荘の噴水』も良かった…。
メジューエワ恐るべし。
これで予定は全て終了。
コンサート5本とトーク2本の合わせて7本。どれもいい内容だった。
今回の大当たりはトークだったかもしれないが…。
終わってしまったなあ、という感慨を胸に仙台駅まで。
新幹線を手配して、夕飯をどうするか考える。
駅弁にするかなあ、と見て回っていたら、たぬ〜が「牛たん屋さんでお持ち帰りやってないかなあ」と言うので、牛たん通りに行ってみたら、やっていた。なので伊達という店で弁当を調達。仕上がりまでにちょっと時間がかかるが、新幹線の時間にちょうどいいくらい。ちなみに、利久ではお持ち帰りはやっていなかった。
これはたぬ〜のファインプレーで、熱々とはいかないが、車中で美味しい牛たんを楽しむことができた。
というわけで、10時過ぎに東京駅着。
自宅に着いたときには11時を回っていた。
せんくらが過ぎると、いよいよ秋という感じだ。
仙台はもちろん東北の復興を祈りつつ、来年のせんくら2012がさらに盛り上がることを期待して、締めとさせていただくこととしよう。
最後に、仙台市営地下鉄の駅の電光板。電車が一生懸命走っているような感じがして可愛らしい。

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