今月初めにヴァニラ画廊で開催されていたクトゥルー神話をテーマにした企画展『邪神宮』の後編が銀座のスパンアートギャラリーで開催されている。
ヴァニラとは展示作品が全く重複していない。両方でひとつの企画ということになるが、後編だけでももちろん楽しめる。
全てこの展覧会のための新作である。
名だたる作家たちに働きかけるのは大変だったろうと思う。キュレーターの児嶋都女史のご苦労は相当なものだったろう。
と同時に、ラヴクラフトの人気というものも感じたりする。
作品はいずれも見応えがある。
森馨さんの人形は今回は少年である。少年なのだがユニセックスのような感じに見える。静寂の中に閉じ込めた一場面。さすがだ。どこから眺めても視線が合わない不思議…。
児嶋都さんのチャーミングな作品もやはり目を引く。混乱と災厄の神ナイアルラトホテプ(ニャルラトホテプという呼び方の方が馴染み深いが…)は首の長い少女として描かれている。どこにあっても彼女の作品とわかる個性は重要なことだと思う。いずれはその作品を連れて帰りたいと思う画家のひとりだ。
山本タカト氏の『エンブレム・オブ・クトゥルー』も素晴らしい。
三浦悦子女史の人形のテーマは『エーリッヒ・ツァンの音楽』という短編。大好きな小説である。ヴァイオリンあるいはチェロを模した人形だが、そのルックスはかなりグロテスク。最近の彼女の作風はこうなのだろうか…? 圧倒的な存在感はあるが…。
ラヴクラフトの作品は一通り読んではいるのだが、他の作家が書いたクトゥルーものはほとんど読んだことがない。不勉強だな。せめて出展作品に関連する作品くらいは読んでおくべきだったか…。
ちなみにこの展覧会のカタログを兼ねた『邪神宮』という作品集も刊行されている。全作品の紹介と書き下ろしの短編小説が収められていて、なかなか良い本に仕上がっている。
スパンアートギャラリーは大通りに面した1階で、外の光が入る明るい画廊である。なので、素晴らしい企画展なのだが、暗黒世界に踏み入れたという感じがしない。そこが残念だったか…。
銀座に行ったらバーデンバーデンでホフブロイハウス・ビールを飲まないことには終わらないのだが、今日は吉祥寺に行かなければならないので断念。。。
というわけで吉祥寺の用事については別の日記としてアップすることにする。
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