今日の日記は2本立て美術特集。。。
まず、1本目。。。
人形作家の森馨女史の個展『蝶番いの行方』が渋谷のポスターハリスギャラリーで開催されている。
球体関節人形はその名の通り球体の関節を持っているので、組み上げた後でも手足を動かすことができる。つまりさまざまなポーズを取らせることが可能なのである。
ハンス・ベルメールの作品が入ってきてから、人形芸術はシュールあるいは耽美世界の表現手段として急激に広まった。少し前のことだが、ヴァニラ画廊のスタッフと話をしていたときに「日本の人形作家は飽和状態にある」という話題になった。つまり、球体関節人形はひとつのジャンルとして確立したということでもあり、それだけに生き残っていくにはオリジナリティが必要ということでもある。
森さんの作品は非常に個性的である。
儚さとエロティシズム。
もともと「モノ」である人形にどう命を吹き込むか、それが人形作家の最大のテーマなのだろう。タナトスとしての存在の人形にエロスを纏わせることで命を与える。それは至極全うなことのように思える。
そして、それがいちばん現れるのはやはり顔なのではないか。
森さんの人形は切なげな顔をしている。
もの問いたげな表情があるからこそ、エロティシズムは詩情に変わるのである。
素晴らしい。。。
ちなみに、先日のヴァニラ画廊でのクトゥルー神話をテーマにした企画展『邪神宮』でも森さんの人形は際立った存在感を放っていた。
確かにこの数年、球体関節人形を目にする機会は多くなった。しかし、玉石混交になってきた感は否めない。もはや球体関節人形というだけではアピールできないということなのだろう。また、強烈な個性は暴走しがちになり、そうした作風のものも少なくない。やはり知情(痴情ではない、いや、そうとも言えるが…)のバランス感覚は大切なのだと思う。
そうした点でも森さんの作品は際立っている。
確かに淫靡ではあるし、良い子は見てはいけないのかもしれない。しかし、まずなにより「美しい」のだ。尋常でない美しさと言ってもいい。
それにしても『蝶番いの行方』とはなんとも素敵なタイトルを付けたものである。
幻想的な物語が展開しそうな雰囲気を醸し出している。そして会場はさながら迷宮のようであった。
しかし、今回も森さんとはお会いできなかった。
なかなかご本人とは縁がないようだ…。
写真左は告知のポスター。
右は送られてきたDM。こんなのが郵便受けに入っていたらドキッとするよね。
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