mixiユーザー(id:3696995)

2011年05月17日23:14

109 view

リーズ・ドゥ・ラ・サール@紀尾井ホール

今日はフランスの若手ピアニスト、リーズ・ドゥ・ラ・サール(Lise de la Salle)のリサイタル。
今回の来日は「3×3」というプロジェクトのようで、これは3都市(名古屋、大阪、東京)で、3年間若手の演奏家を追いかける、というもののようだ。

1988年生まれ、5月8日に23歳になったばかりの期待の若手なのだが、メジャーレーベルによる国内盤のリリースがないこともあってか、日本での認知度は低い。これを機会に彼女の名前がもっと知られるようになればいいと思う。

彼女のライヴを聴くのは昨年のラ・フォル・ジュルネ以来、ちょうど1年ぶりとなる。

まずは、このような状況で来日をしてくれたことに感謝したい。
また、今日の紀尾井には被災者を招待しているのだそうだ。日本人として礼を言いたい。

さて、プログラムだが、生誕200年ということで、オール・リスト・プログラム。
しかも、編曲ものも含むという、最新アルバムとほぼ同じ内容になっている。

01.リスト:バラード第2番 ロ短調
02.リスト:葬送 〜「詩的で宗教的な調べ」より〜
03.リスト:愛の夢第3番 変イ長調
04.リスト:ダンテを読んで〜ソナタ風幻想曲
<休憩>
05.シューマン/リスト編:献呈
06.シューマン/リスト編:春の夜
07.モーツァルト/リスト編:ラクリモーザ
08.シューベルト/リスト編:セレナーデ
09.ワーグナー/リスト編:イゾルデの愛の死
<アンコール>
10.ショパン:夜想曲 第20番 嬰ハ短調
11.ドビュッシー:パックの踊り 〜前奏曲集第1巻より〜
12.スカルラッティ:ソナタ ハ長調 L.104
13.ショパン:夜想曲 第19番 ホ短調

前半の大曲3曲が圧巻。
超絶技巧と哲学的内容とがうまくマッチしたリストらしい名曲と言えよう。破綻なく弾き切ること自体が難しい曲である。
かなり迫力があった。打鍵は力強くスケールも大きい。表現の振幅も大きく、語り口も上手い。
それにしても、彼女のピアノの音は柔らかで暖かい。スタインウェイをこういう音で弾くピアニストは珍しいのではないかと思う。それだけで十分聴くに値するピアニストである。
やはり彼女ならではの個性があるというのは強いという印象だ。
『ダンテを読んで』が特に良かったかな。
一度も袖に戻ることなく、約50分、一気に弾き切った。

リストのトランスクリプション(編曲)は意外にも元の曲のイメージを損なっていない。モーツァルトのレクイエムからの『ラクリモーサ』は思索的なピアノ曲になっているし、ワーグナーの『イゾルデの愛の死』は後の音楽を予見させる耽美的な音世界になっていた。モノクロームだが色彩的。リストの編曲の上手さもさることながら、やはり彼女の演奏がイマジナティヴなのだろう。
中音域の暖かな音色が生きる『セレナーデ』が思った以上に良い。

しかし、前半と後半、プログラムのバランスが悪いという感は否めない。
まあ、リスト自身を対照的に際立たせるという点では効果があったとは思う。それが彼女の意図したところだったのだろうと思う。

アンコールはリストの縛りから解放。
ショパン、ドビュッシーは想定できたとしても、スカルラッティは意外だった。

ステージを降りると、まだあどけなさの残るお嬢さんだ。
しかし、鼻が高いな…。
来年はどんなプログラムを聴かせてくれるのか、今から楽しみだ。
0 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2011年05月>
日 月 火 水 木 金 土
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031