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2011年04月21日23:13

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エッティンガー&東京フィル with 川久保賜紀@オペラシティ

今日の目的は川久保賜紀嬢である。
彼女が『四季』を弾くというので、ほとんどそれだけが目的でチケットを取った。
失礼な話だが、ちょっと前までほかに何がプログラミングされているか知らなかった。
ひどいものである。
オーケストラはダン・エッティンガー指揮の東京フィル。
何はともあれ、このご時勢でよく来日してくれた若きマエストロに感謝。
で、曲目は以下の通り。

01.ヴィヴァルディ:四季
<休憩>
02.モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550

シンプルだね〜。8時半くらいには終わっちゃうんじゃないの、と思っていたのだが…。

『四季』ではエッティンガーがチェンバロを弾きながら指揮をしていた。
流行りの小編成ではなく、弦楽オーケストラ仕様。こういうゴージャスな『四季』も悪くない。ピリオド・スタイルもいいが、モダン楽器による大編成にもやはり魅力はある。
賜紀嬢のヴァイオリンは艶やかに鳴っていた。繊細な美音で聴かせる。彼女のヴァイオリンには清潔な色っぽさがある。こういう色気というのは音楽には大事だと思う。
全体的に大胆なアゴーギクを用い、振幅の大きな表情付けがされた演奏だったと思う。これはおそらくエッティンガーの解釈なのだろう。こういうのも悪くない。
『四季』は聴いていると幸せになる曲だな。
実は『冬』がいちばん好きだったりする。両端楽章の劇的なスピード感がたまらない。賜紀嬢の美音でドライヴされる『冬』は至福のときだった…。『夏』もとてもよかった。特に第2楽章の静かな緊張感。
エッティンガーによるチェンバロの通奏低音もアドリブ感があってよかった。
しかし、賜紀嬢の立ち姿はカッコいい。弾いているときの眉根を寄せる表情もいい。凛としつつも柔らかい雰囲気を醸し出していて、響いてくる音色とよく合っている。もっとも、今日は終始笑顔だったが、楽しく弾けていたのかな。

後半はモーツァルト。
こちらも時代に反して大きめの編成。
やはりさすがの名曲だなという感じ。晩年の作品は天才が才能に任せて作った曲という感じがしないのがいい。これは想像だが、もしモーツァルトがもっと長生きをしていたら、今のモーツァルト像とは大きく違う印象を残したのではないかと思う。
この40番はある意味で完璧なシンフォニーと言えるかもしれない。超有名な第1楽章だけでなく、ほかの楽章も非の打ちどころがない。第3楽章のメヌエットですら悲劇的な色調である。
情感の振幅が大きい演奏だった。ロマン派に近いモーツァルトという感じだろうか。
しかし、演奏時間が長かった。。。
40分もかかったこの曲など初めて聴いたぞ。第2楽章はややゆったりしていたものの、第3第4楽章はむしろ速かったと思う。おそらく反復の指示をほぼ完全に再現していたのではないだろうか。
第2楽章の哀切感に心打たれた。この楽章が通常よりもいちばん長かったように思う。
終楽章のスピード感には陶酔的な魅力があった。それまでこの終楽章がちょっと短いように感じていたのだが、反復をこなすとしっかり重量感が出てくる。少なくとも終楽章はこの方がいいのではないかという気がする。
いいものを聴かせてもらったという印象だ。40番は大交響曲だったよ。
オーケストラもよく応えていたと思う。弦の響きが艶やかだ。管も上手いね。

というわけで、長い40番のおかげで終わったのは9時だった。。。

エッティンガーという人は思い切りのいい解釈をする人だという印象を受けた。おそらく中庸の表現などということとは無縁の人なのだろう。好き嫌いが別れる危険はあるが、私はとても興味深く聴けた。安全運転で小さくまとまるよりはよっぽどおもしろい。
見た目はチャラチャラっぽい感じだが、どうしてどうして気概のある男と見た。
それにデカイ。そのうえ、アクションが大きい。
しかし、彼はいい指揮者だと思う。

終演後、ロビーに演奏者が出てきていた。
ドレスのままで賜紀ちゃんもいた。挨拶に出向くとたいそう喜んでくれた。
こういうのも嬉しいことだね。
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