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2011年02月20日23:32

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川久保賜紀・遠藤真理・三浦友理枝@大井川文化会館ミュージコ

さんざん迷ったあげく、結局行くことにしてしまった。だったら迷わなければいいものを…。そうすればもっといい席が取れたろうに。
わかってはいるが、小市民なので仕方がない。うちは二人揃って貧乏性なのだ。

川久保賜紀(vn)、遠藤真理(vc)、三浦友理枝(pf)のトリオを追いかけて焼津まで行ってしまった…。
焼津といえば「焼津の半次」だが、それは置いておいて、と。
うまい具合に翌日休暇を取る予定だったんだよな〜。帰りが遅くなってもいいやってね。
もう彼女たちのことについては諦めている。もう仕方がない。
先月末の東京フィルとの共演では「ミューズ・トリオ」なんて書かれていたが、そう言いたくなる気持ちはわからないでもない。ただ、彼女たち3人を前にすると、ミューズの名を冠しても軽く感じてしまう。正式なユニット名を付けていないからいけないのだが、単に名前を並べただけという素っ気なさにむしろ音楽一本で勝負という気概を感じるのだがいかがだろうか。

今朝駅に着いたら、中央線が止まっていた。停電だったそうだ。迷うことなく、振替輸送券をもらって西武新宿線に出ることにした。早めに出ていたので、事無きを得たが、あのまま復旧を待っていたら新幹線に間に合ったかどうか、微妙なところだったようだ。

さて、場所はJR藤枝駅から車で15分ほどの大井川文化会館ミュージコというところ。静岡駅で新幹線から東海道線に乗り換える。実は先日まで藤枝駅から歩いて15分だと勘違いしていた。事前に気付いてよかったよ〜。駅前もひっそりとしていて、人の姿もまばらだった。
会場は住宅地にポツンと建っているという雰囲気。なかなか立派なホールであるが、外観は工事中のため目隠し状態だった。

客の入りは半分程度か…。残念である。
とはいえ、演奏中の雑音はあるものの、さほど気になるものではなかった。小さい子が多かったのだが、みんな真剣に聴いていたのかもしれない。
プログラムは以下の通り。編成に断りのないものはトリオ。

01.ドヴォルザーク:ユーモレスク第7番
02.モンティ:チャールダシュ
03.クライスラー:美しきロスマリン(vn、pf)
04.クライスラー:中国の太鼓(vn、pf)
05.佐藤直紀:龍馬伝紀行�掘�vc)
06.ブラームス:ハンガリー舞曲第6番
07.ハイドン:ピアノ三重奏曲『ツィゴイナー』
<休憩>
08.ショパン:幻想即興曲(pf)
09.ショパン:子犬のワルツ(pf)
10.ラヴェル:ピアノ三重奏曲
<アンコール>
11.ブラームス:ハンガリー舞曲第5番
12.ラヴェル:リゴードン(『クープランの墓』より)

前半は明るめの曲を集めてリラックスした演奏。いい意味で力が抜けている。いずれもリリカルで歌心に溢れた音作りだ。真理ちゃんのチェロにパワーが出てきたような印象。

注目は彼女たちにとっての初演となるハイドンの『ツィゴイナー』である。
またまた渋いところを選んできたものである。ツィゴイナーとはドイツ語でジプシー風。終楽章がそうした趣があるのでそういうニックネームが付いたらしい。ジプシー風かどうかはともかく、全曲通していい曲である。
この時代のトリオの例に漏れず、ピアノ・パートが大活躍で、ヴァイオリンとチェロの付いたピアノ・ソナタという感じがしないでもない。とはいえ、賜紀ちゃんと真理ちゃんが脇に回るわけもなく、自由闊達な演奏を繰り広げる。友理枝ちゃんはペダリングを抑えめにした古典派ふうのアプローチ、だけど美音は隠せません、といったやはり個性的なピアノを聴かせる。
彼女たちにとっての初演とあっては聴かないわけにはいかないだろう。やはり行った甲斐があったよ。

後半は友理枝ちゃんのピアノ・ソロから。「本当はリスト・イヤーだけど、日本風に言えばまだ2010年度ということでショパンを弾きます」というようなことを言っていた。なかなか気の利いたコメントである。

メインのラヴェルはすでに自家薬籠中のレパートリー。
いつ聴いても見事だ。というより、聴くたびにグレードが上がっている。スケール感は今日がいちばんだったか。瑞々しく清潔感のある音楽。破綻することなく演奏すること自体が難しい曲なのに、彼女たちの演奏にはしっかり自分たちの主張が乗っている。シリアスな語り口はビターな味わい。三者三様の透き通った音色の美しいこと。それでもまだ完成形ではないと思わせるポテンシャルの高さ。アイコンタクトの頻度が高くなっているのは、それだけ余裕が出てきたということか。

どうもステージ上から気付かれていたようだ。というか、真理ちゃん曰く「すぐにわかった」とのこと。

帰りは会場からタクシーを呼ぶ以外に手はない。周辺には車がないので15分くらいかかるとのこと。こういうところに来ると、なんとなく気が長くなる。もっとも待つ以外に手段はないのだが…。
しかし、いくら待っても来ない。おかしいな、と思いつつ回りを見に行こうとしたときに電話が鳴った。待っている場所が違ったらしい。反対側の駐車場の方に車を着けたらしい。で、タクシーに乗り込んだときに、近くに止まっていたワンボックスカーの中から女性がこちらに手を振る姿が…。なんと賜紀ちゃんだ…。慌てて手を振り返す。
あ〜、彼女たちの撤収にかち合ってしまったわけだ。何となくバツが悪いな〜。

ところで、話は変わるが、先日dancyuの蕎麦特集号を見ていたら、藤枝の「かわかつ」という店が紹介されていた。これはタイムリーというわけで、昼に行ってみることにした。ランチ終了ギリギリだったようだ。
細打ちの麺で、蕎麦の香りが品よく漂う。つゆは甘みを控えたちょい辛め。かなりのグレードである。この蕎麦は確かに美味い。薬味は九条ねぎというのもいい。蕎麦の風味を殺さない。おろしたての生わさびも嬉しい。
 フォト

というわけで、せわしなかったが、楽しい小旅行であった。
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