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2010年10月31日23:13

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メッツマッハー&新日本フィル@パルテノン多摩

台風一過の日曜日、いい天気とはいかず、雨混じりの空模様。
パルテノン多摩まで行ってきた。

インゴ・メッツマッハーの指揮による新日本フィルのコンサート。
プログラムは以下の通り。

01.ブラームス:悲劇的序曲
02.ハルトマン:交響曲第6番
<休憩>
03.チャイコフスキー:交響曲第6番『悲愴』

ハロウィンの日曜の午後に悲劇的な曲ばかり。なんともミスマッチで素敵ではないか。
しかし、ハルトマンだよ、ハルトマン。人気のない現代音楽の中でも、さらに知名度がそう高くない作曲家。普通やらんだろう。交響曲全集の録音を行なったメッツマッハーならではと言える。
余談だが、このCD(3枚組)が国内発売されたこと自体が奇跡のようなもので、すでに廃盤になって久しいが、一体何セット売れたのだろうか? もちろん、うちにはあるよ。実はハルトマンのファンである。LP時代はWERGOから出ていたクーベリックが中心となった全集盤を持っていたし。
というわけで、ハルトマンが実演で聴けるというだけで価値があるので行くことにしたのだ。

※ハルトマンについては以前に書いているので、よろしければどうぞ。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1463945906&owner_id=3696995

悲劇的序曲は旋律的魅力に欠ける方のブラームス。ソナタ形式の曲なので、シンフォニーの中のひとつの楽章というのならいいのだろうが、これだけ聴かされてもなあ、と思ってしまう。ブラームスはいい曲とそうでもない曲とのバラツキが大きいんだよな。と、文句ばかり言っているが、オーケストレーションは古典的という意味で完璧。肩慣らしの一曲としてはいいのかもしれない。メッツマッハーもキビキビしたテンポでオーケストラをコントロールしていた。大仰な表現をしているわけではないが、メリハリがあってよかった。

続くお目当てのハルトマン。
各種打楽器やマンドリンが追加になる。オーケストラにマンドリンを入れたのはマーラーとヴェーベルンくらいか。
私の勝手な考えだが、ハルトマンはポスト・マーラーの最大のシンフォニストだと思う。少なくともマーラー以降の独墺圏での最大のシンフォニストであることは間違いない。
8曲の交響曲はどれもいい曲だが、6番が最高傑作と言われることが多いようだ。現代音楽ではあるが、作風としては折衷的なので聴きやすい。ハルトマンの多くの曲と同様悲劇的な色彩が濃い。2楽章構成で、演奏時間は25分程度といったところか。
多数の打楽器による爆発するようなリズム処理は一種のカタルシス。
メッツマッハーはさすがに巧いなあという印象だ。現代音楽に強いというと分析的でクールな演奏を思い浮かべがちだが、彼は違う。パッションに溢れている。素晴らしい。オケもしっかりついて行って、名演と言える演奏に仕上がっていたと思う。なんにしてもこの曲を生で聴くことができただけで大満足である。
割れんばかりの拍手だったので、この曲を楽しみにしていた人は意外に多かったのかもしれない。だとしたら、とても喜ばしいことだ。

そうなると『悲愴』はおまけみたいなもので、気楽に聴いてりゃいいや、くらいのものだったのだが、どうしてどうして十分聴かせる『悲愴』だった。
やや冗漫な感じのする第1楽章は意外に淡々と進むのだが、なんとなく重心が低い感じ。悲劇を予兆させるような緊迫感がある。展開部での大爆発ではオーケストラを鳴らしきっていた。
第2楽章は大好きな5拍子のワルツ。流麗だがやはり緊迫感が強い。いい意味で明確に変拍子を意識させる。それゆえの不安感か?
マーチ風の第3楽章は完璧にスケルツォ的雰囲気に統一されていた。虚ろな喧騒。金管の鳴りもいい。トランペットとトロンボーンのいい意味での乾いた音色がチャイコフスキーに相応しい。
ここまでも素晴らしかったが、聴きものは終楽章だった。テンポはアンダンテに近い感じ。演奏時間も10分程度だから、標準だろう。しかし、濃密。咽び泣くのではなく、悲しみを耐えているという感じだ。第1と第2ヴァイオリンを左右に振り分けていたのも大正解。スコアを見ておけばよかった、と後悔した。

ここまで悲劇的な曲ばかり続くと、アンコールは蛇足になってしまいがちなので、アンコールなしというのはかえって良かったと思う。

しかし、メッツマッハー恐るべし。
なんとなく現代音楽のスペシャリストという感じがしていたのだが、それだけの人ではない。
いかつい顔つきに似合わず、指揮台を十分に使い、踊るような優雅な指揮ぶりだった。ちなみに、指揮棒は使わない。

新日本フィルの実力にも驚かされた。
金管も充実していたし、弦の響きも綺麗だ。
それにファゴット首席の河村幹子さんが素晴らしい。ハルトマンにしても『悲愴』にしてもファゴットが重要な役割を担っているのだが、本当に聴かせる演奏をしていた。まだ若そうな美人さんだ。

大満足のコンサートだった。

読みたいと思っていたメッツマッハーが書いた「新しい音を恐れるな」という本もゲット。現代音楽の聴き方のガイダンスのようなものらしい。
この本と愛聴番のハルトマン交響曲全集のCDにサインをいただいた。
想像以上に気さくな人のようだ。

メッツマッハーがマーラーを振ったら巧いんだろうなという気がする。
マーラーの6番『悲劇的』を振るプログラムもあったのだが、希少性ということでハルトマンを選んだわけなのだが…。
新日本フィルの充実ぶりを聴くと、マーラーもかなり良さそうだ。ということで11/06(土)のトリフォニー・ホールを取ってしまった。。。

しかし、メッツマッハー、今回は6番ばっかりだな。しかも悲劇的な曲ばかり。。。
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