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2026年10月20日23:18

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キスポートクラシックコンサート@サントリーホール

フレッシュ名曲コンサート(キスポートクラシックコンサート)は地域密着型のコンサートらしい。

お目当てはもちろんソプラノの宮地江奈である。
もちろんヴォーン=ウィリアムズの曲もレアではある。

最近は平日の夜は厳しい。
なので見送りかなと思っていたのだが、先日のハイドンとモーツァルトの宗教曲を聴いて、これは行くべき、と思ってしまった。なので都合をつけてチケットを手配した。かなり出遅れたので2階の後方だが、聴けるだけでOKだ。
数日後には完売になっていたから早く決断してよかった。

なので前半がどんなプログラムなのかわかっていなかった…。
全く失礼な話だ。

大友直人:指揮
東京交響楽団
ミナトシティコーラス(3)

阪田知樹:ピアノ(2)
宮地江奈:ソプラノ(3)
黒田祐貴:バリトン(3)

01.千住明:Our Home Port
02.ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37
ec.ラフマニノフ:ヴォカリーズ
<休憩>
03.ヴォーン=ウィリアムズ:ドナ・ノービス・パーチェム

1曲目はキスポート財団のテーマ曲なのだそうだ。
わかりやすい曲。可もなく不可もなく。

阪田知樹は旬のピアニストなのだろう。最近よく名前を聞く。
狂気じみたスピード違反で物議を醸しているピアニストとは違って悪目立ちしているわけではないので、こういう機会に聴けるのはラッキーだと思う。
実際正攻法のピアノだった。迫力よりも繊細さで聴かせるピアニストなのかもしれない。技巧的な不安もなく、音も綺麗だ。好感度の高いピアノだったと思う。
アンコールのヴォカリーズもとても良かった。

後半はいよいよ江奈嬢の登場。

ヴォーン=ウィリアムズ(VW)のカンタータ。ドナ・ノービス・パーチェムは「我らに平和を与えたまえ」と訳され、ラテン語のミサ典礼文の一部である。
ということからわかる通り、平和を願う祈りの音楽である。とはいっても、やはり宗教音楽ではなく、汎世界的な音楽と言うべきだろう。激しい部分も多く、合唱が重要な役割を担う。
その合唱は精緻でありながら迫力もある。名演たらしめた大きな要因である。
オケはさすがに巧い。金管は揺るがないし、弦には艶がある。
バリトンの黒田祐貴はそつなくこなしていたという印象か。声質も声量も問題ない。いい歌唱だったと思う。

さて、ソプラノの宮地江奈。
この曲はオケの短い導入の後、ソプラノ独唱で始まる。
その第一声を聴いて鳥肌が立った。彼女の声や歌唱が素晴らしいのは十分知っている。それなのに、だ。
どこまでも伸びる清廉な声。凛とした強さがありつつも可憐でもある。
こういう曲を歌うのに彼女ほど相応しい歌手がいるだろうか。
いい声のソプラノも、歌唱技術の高いソプラノも、表現力豊かなソプラノも、たくさんいるだろう。しかし彼女でなければならない曲というのがいくつかあるように思う。このドナ・ノービス・パーチェムもそんな曲だと思う。
冒頭は憧れに満ちたようなドナ・ノービス・パーチェムで、静かに切実で悲しみを湛えたドナ・ノービス・パーチェムで曲を閉じる。そんな歌い分けが絶妙。今の時代だからこそリアルに響く。彼女の歌はそんな説得力を持つ。

この曲も40分ほどのうちソプラノが歌っているのはせいぜい5分程度だろう。先日のフォーレのレクイエムもそうだ。
それだけでも時間と金を使って聴く価値がある、そう思わせてくれる歌を聴かせてくれる。
(もちろん先日も今日もコンサート全体がとても良いものであったのだが)

凄い歌手だよ。
だってあの声でルルを歌っちゃうんだぜ。。。

この曲を選んだのは指揮者なのだろうか。
そうそう聴ける機会がある曲ではないので有難い。

チケットは完売と聞いていたが、2階席は空席がかなりあったな。
それでも上々の入りだったろう。
困ったのは始終何らかの音がしていたこと。パリパリ、コツコツ、一体なんの音だ…?
たぶん音を出しているのは数人なんだよな。
それだけが残念だった。
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