長谷川まりる『宇宙人のいる教室』(岩崎書店)を読みました。
著者は、絵本作家さんと認識している読者が多そうな気がします。本書も、絵本ではないものの、児童文学書と考えるべきです。しかも、作者が駒草に所属していますので、SFとかファンタジーの要素も入っています。まあ、児童文学はそういったものだという気はします。
本書は、タイトル通り、宇宙人が小学校に転校してきます。宇宙人が当たり前の時代となり、宇宙の中でも平和な地球には宇宙戦争をしている星の子どもたちが避難して来て平和が保証され、進んだ技術で地球の環境問題などが解決されます。お互いの違いに戸惑いながらも価値観を知り合い、少しずつ友だちになる優しい物語です。
まず、小学5年生の教室に宇宙人が転校生としてやって来ます。表紙画像の左側が主人公の小学5年生女子、右側がニビル星人の転校生、難しい名前なので、あだ名としてパー子と呼ばれます。舞台は、都会とも田舎ともいえない郊外の街であり、主人公は地球人、というか、日本人の小学5年生女子なのですが、その主人公も4月から転校生として編入されています。
宇宙人の転校生はやや遅れて転校してきます。主人公は目立ちたがりの女子なのですが、前の小学校にも宇宙人がいたと発言したため、異文化交流に慣れているという理由で宇宙人のお世話係のような役回りを引き受けることになります。
実は、地球以外では宇宙戦争が激しくなっており、地球は「平和の星」として、子どもたちの疎開先になっています。宇宙戦争を繰り広げている地球以外の星は、環境問題などを先進的な技術で解決して、地球に対して貢献をする一方で、地球を子どもたちの疎開先として利用し、決して、地球を攻撃してはならない、という取決めが結ばれています。
そのため、地球には20種類くらいの宇宙人の子どもが住んでいます。ただし、子どもでなくなって、というか、おとなになれば生まれた星に帰らなければなりません。
いろんな人間関係の中で、どういった展開を見せるのかが読ませどころです。主人公と宇宙人転校生の在籍する小学校のクラスには、見た目がよくてスクールカースト上位の女子の集団があったり、その中には気が利いていろんな配慮をしてくれる頭の良い賢い女子がいたり、逆に、宇宙人に対して排外主義的な感情を持つ男子がいたりします。
主人公の家庭には、中学生のお兄ちゃんがいて、その同級生でゲームを遊びに家に来る男子中学生に主人公がほのかな憧れを持ったりします。全国的にも有名な地元のお祭に女子グループに誘われて主人公と宇宙人転校生が出かけた折に、危険な目にあったりもします。
運動会でクラス全員リレーがあるのですが、表紙画像を見て理解できる通り、宇宙人転校生は足がとても大きくて、かけっこがオリンピック選手並み、あるいは超えるくらいに早く、公平か不公平かで議論が沸騰します。
最後に、この児童文学の小説がなにを寓意しているかは明らかだと思います。ですので、外国人反対の某政党支持者の方々は読まない方がいいような気がしますが、逆に、そういった方々にこそ読んでほしい気もします。
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