今やわが家の音楽ライフは宮地江奈を中心に回っていると言っても過言ではない。
彼女がフォーレのレクイエムで歌うとなったら行かないわけにはいかない。
合唱団鯨は芥川也寸志が立ち上げたアマチュア合唱団。
なので歴史が長い。
なるほど年齢層がかなり高い。おそらく高いレベルをずっと維持してきたのだろう。
松村優吾:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
合唱団鯨
宮地江奈:ソプラノ *
金山京介:テノール #
井出壮志郎:バリトン +
浅尾直子:オルガン $
01.プッチーニ:ミサ曲 #+
<休憩>
02.フォーレ:レクイエム Op.48 *+$
プッチーニにミサ曲があるなんて少し前まで知らなかった。
卒業制作の若書きで、生前は出版を許さなかったらしい。
何故だろう、と思う。素晴らしくいい曲なのに。
後に名アリアを量産することが納得できるほど旋律美に溢れた曲である。
しかも敬虔な祈りも十分に感じさせる。
まず冒頭の咽び泣くような繊細な弦に心を揺さぶられた。
合唱は力強くも抑制が効いた見事な歌唱。
金管の弱音が美しい。さすがプロオケといったところか。
驚かされたのはテノールの金山京介。
第一声を聴いて震えが来た。非常に透明度が高い。まさかテノールの声にこういう表現が使えるとは思わなかった。
声量も申し分なく、本当に素晴らしい声。これは収穫だった。
井出壮志郎のバリトンはやや軽めだがいい声をしている。
強面(失礼!)だが優しい声。
いい曲だということは知っていたが、実演を聴いてますます好きになった。
なかなか聴ける機会がないかもしれないので、これだけでも行った甲斐があるというものだ。
いやいや、まだ天使が控えているではないか。
フォーレのレクイエムは言わずと知れた大名曲。
演奏機会も多い。
だが、聴かせどころであるソプラノ独唱のピエ・イェズに合う歌手は意外に少ないと思うのだ。
声質に相性があるのだ。ソプラノなら誰でも良い、どんな声でも良い、というわけではないのだ。
宮地江奈の透明度の高い伸びのある声は間違いなく合う。いくらかの哀しみも纏わせながら。
フォーレに選ばれた歌手なのだと思う。
心にそっと寄り添い、しかし深く心に留まる。
僅か4分強ほどの歌唱ではあるが、強烈な印象を残す。これを聴きに来たんだ、と納得のパフォーマンスだった。
初めて見た黒い細めのドレスがよく似合う。
ピエ・イェズばかりになってしまったが、全曲通して名演だった。
合唱もオケも文句の付けようがない。
それらをまとめ上げた指揮者の手腕も賞賛すべき。
いい演奏会だった。
全てに於いて高レベルだった。
ちなみに、宮地江奈嬢と金山京介氏はこの合唱団のヴォイストレーナーをやっているのだそうだ。
次回の演奏会はブラームスのドイツ・レクイエムらしい。
となるとソプラノはまた江奈嬢なのではないかと期待している。
さらに彼女は来年の2月にまたフォーレのレクイエムを歌う。
しかもカップリングはプーランクのスターバト・マーテル。
これも楽しみだ。
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