mixiユーザー(id:68108846)

2026年10月15日08:04

18 view

長尾和宏『病気の9割は自分で治せる!』(PHP新書)を読みました

長尾和宏『病気の9割は自分で治せる!』(PHP新書)を読みました。
著者は、医学博士の開業医のようです。その昔に、私は同じ作者の同じPHP新書で『歩く人はボケない』という本を読んだのですが、歩くことによりタイトル通りにボケないどころか、ガンも治るという "One size fits all" 的な健康法で、私自身が感心しないと受け止めましたので、あえて、ブログやSNSでレビューしないことに決めた記憶があります。
本書についても、いくつかのSNSで見かけて、怪しげな内容であるかもしれないと感じましたが、まあ、そういうのも含めての読書、レビューなんだろうと思って読んでみた次第です。
まず、本書については、ハッキリいってキワモノと考えるべきです。私が読んだ以前の『歩く人はボケない』(PHP新書)と同じで、歩くこと、特に太陽光を浴びて歩くことを推奨しています。私はこの点については大きな異論はありません。
本書の中心となるのは第4章であろうと思います。すなわち、糖尿病、リウマチ、認知症、片頭痛、慢性腰痛、便秘、胃炎、肝炎、肺炎、気管支ぜんそく、不眠症、高血圧、脂質異常症、自律神経失調症、はては、がんまで、章のタイトルが「自分でできる病気の直し方」となっていて、まさか、これを信じ切ってそのまま実践する人はいない、とは思いますが、ちょっと気にかかるところです。というか、批判的な読書が必要とされるような気がします。
私は大学生を相手に授業をするのが重要な業務のひとつとなっていて、何度いっても新入生に理解されにくいのは、批判的な学習です。高校までは先生が正解を持っていて、その先生が持っている正解にたどり着くのが生徒の努力だったのですが、大学では先生は正解にたどり着く努力の仕方を教えるのが役割であって、正解そのものを与えるのが仕事ではありません。
私は期末リポートなどではオープンクエスチョンを出題することがしばしばあります。例えば、日本の食料自給率は40%を下回っていて、先進国でも最低レベルですが、この食料自給率を引き上げた方がよいか、それとも引き上げる必要はないか、といったリポートテーマを出します。高校までであれば、食料自給率引上げの必要あり、あるいは、必要なし、でどちらかが正解で100点、どちらかが不正解で0点、だったのですが、大学ではキチンと論理立ててリポートすれば単位を与えます。
教科書に書いてあること、先生が教えたことが無条件に真実かどうか、自分自身でリサーチすることを求め、いろんなことを批判的に理解することを大学では学びます。
本書も同じことで、本書に書いてあることを丸ごと事実として実践する読者にはオススメできません。なにぶん、繰返しになりますが、私は前の『歩く人はボケない』を読んで、ブログやSNSでレビューするべきではない、と考えたくらいの著者の本ですので、本書に書いてあることを、批判的に受け止めて自分で判断できる読者にオススメしたいと思います。
あくまで一般論ですが、「学問に王道なし」という有名な言葉があります。学問だけではなく、健康やほかの分野でも同じである場合が少なくありません。「これだけやればOK」というアドバイスがあれば、少しでいいので批判的に受け止める事が必要なケースが少なくない、と警戒心を持って対応するのも一案です。
最後に、一般論ではなく本書に立ち返って、p.212以降を読むと、この著者は反ワクチンのお考えをお持ちのようです。その点も考慮して、本書を読むか読まないかを判断できる人にオススメします。

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する