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2026年09月25日07:25

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三宅香帆『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』(新潮新書)

三宅香帆『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』(新潮新書)を読みました。
著者は、文芸評論家だそうで、以前に出版された『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が話題になったのではないかと思います。
本書は、基本的に、会話を弾ませるという目的を持っているのですが、そのテクニック、というか、スキルを読書や映画・ドラマから導こうとしています。ですので、何もないところからの話題を発生させるというのはムリがあると考えるべきです。
詳細は読んでいただくしたないのですが、サワリとしては、5つの技術、すなわち、「比較」、「抽象」、「発見」、「流行」、「不易」のいずれかの技術を使って、書籍や映画に接することで、作品鑑賞を人に話すようなトピックの元ネタにすることができる、ということです。
第1部では技術解説編ということで、いくつか抽象的にスキルを考えていますが、第2部の応用実践編では、逆に、抽象度低く、実際の作品を取り上げることにより、このような読書をすれば話題として用いることができる、といった観点からの解説となっています。映画やドラマも少なくありませんが、逆にいえば、取り上げられているのは本が多く、読書しない人にはそれほど有益ではないかもしれません。でも、本書を読むということは読書もしている、ということなのでしょうから、まあ、役立つ可能性は十分あります。
実は、そろそろ季節到来のノーベル賞、特に私の専門分野の経済学賞を受賞しているカーネマン教授の以前の著書の『ファスト&スロー』の冒頭にも、同じようなことが書かれており、活用法は「オフィスでの井戸端会議」である、としていました。
本書も同じように話題を見つけ出して、整理し、トピックとして会話を弾ませるような読書、ついでに、映画やドラマの活用を考えています。そのためには、第1部の技術解説編にあるように、ノートを取りながら内容をより深く把握する、というのも重要だと私は考えています。ですので、ひょっとしたら、読書に限定してかもしれませんが、職場やご近所での会話を弾ませるための読書と学術的な理解を深める読書は、ともに同じ方向を向いているのかもしれません。
他方で、トピックが何であれ、話術で面白い話ができる、という人も少なくないものと思います。落語の噺家などがそうではないかと思いますが、そういった「話が面白い人」は、本書のスコープ外となっているようです。

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