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2026年09月24日08:33

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土屋うさぎ『謎の香りはパン屋から 2』(宝島社)を読みました

土屋うさぎ『謎の香りはパン屋から 2』(宝島社)を読みました。
著者は、小説家なのでしょうが、この作品の前作で第23回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞しています。
前作とともに、主人公は市倉小春、大学2年生に進学しています。舞台は大阪の石橋阪大前駅近くにあるパン屋の「ノスティモ」であり、主人公がアルバイトしています。漫画家を目指している主人公はデビューが決まっています。店長の堂前やレナ先輩と変わらず賑やかな日々を送っていますが、後輩アルバイトに高校生の杏樹が加わっています。5話から成る連作短編集です。
収録順にあらすじは、「すれ違いメロンパン」では、春先に高校生アルバイトの杏樹がレナ先輩からパワハラを受けたといって辞めると言い出し、小春が誤解を解くものの、じつは、杏樹にはノスティモでアルバイトをする別の理由がありました。「祝福のデニッシュ」では、小春のいるパンのブーランとともに、ノスティモにあるケーキのパティスリーに、人見知りが激しくてパティスリー部門から外には出ないヨネケンこと米倉賢治がいて、ジューンブライドの友人の結婚式に向けてウェディングケーキを作ったのですが、地震で倒れて台無しになります。
「燃えろカツサンド」では、カフェスペースでカツサンドを注文した音羽さんが、注文したにもかかわらずカツサンドを食べずに慌てて暑い8月の夏の外に出て行き、レナ先輩は闇バイトを疑います。「聖夜のフレンチトースト」は、12月のクリスマスの季節に、小春が恋愛成就にご利益の大きいのお初天神に行くと、電動キックボードにぶつかりそうになりますが、イケメン高校生に助けられてお茶に誘われます。最後の「涙する塩パン」では、ノスティモのオープニングスタッフだった湯浅がキッチンカーで塩パンを売っていて、ノスティモ店長の堂前に指定対決の勝負を挑みます。
日常の謎をテーマとする短編ミステリですので、いわゆるノックスの十戒にあるような殺人事件は含まれません。確かにいい作品なのですが、収録短編がミステリか、といわれると、違うような短編もあります。どうしてかというと、謎としての提示がなされていないからです。ですので、謎解きと呼ぶべきでないような気もします。要するに、日常の謎ではなく、日常の出来事の裏側を探る作りになっている短編も含まれています。ミステリではなく、そういったウラ読みの短編、ということです。
主人公がまだ大学2年生ですので、続編があれば私は次も読むような気がしますが、読まないかもしれません。

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