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2026年08月01日08:15

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ジェフリー・ディーヴァー『サプライズ・エンディングス 罠』と『サプライズ・エンディングス 嘘』(中公文庫)を読みました

ジェフリー・ディーヴァー『サプライズ・エンディングス 罠』と『サプライズ・エンディングス 嘘』(中公文庫)を読みました。
著者は、「どんでん返しの魔術師」と出版社では呼んでいるようで、世界でももっとも有名なミステリ作家の1人だと思います。私もリンカーン・ライムやコルター・ショウ、あるいは、キャサリン・ダンスのシリーズを愛読しています。『罠』と『嘘』の2冊はともに短編集であり、4話ずつ収録されています。webメディアなどで公開されていた短編作品を日本オリジナルの文庫本2冊に取りまとめています。
簡単に、あらすじは以下の通りです。まず、『サプライズ・エンディングス 罠』の収録短編では、「完全犯罪計画」は唯一のリンカーン・ライムのシリーズです。ライムの暗殺計画があることが判明します。英国の諜報機関が偶然に傍受しただけで詳細はまったく不明です。宿敵ウォッチメイカーが示唆されますが、やや尻切れトンボで終わります。続いて、「魔の交差点」では、互いにまったく面識のない7人が、犯罪多発地帯にある魔の交差点に向かいます。これは、まったく予期せぬラストで、もう一度読み返す読者も少なくないものと私は想像します。本書の中では出色の短編だと思います。
続いて、「麗しきヴェローナ」では、対立関係にある2つのギャングのグループの息子と娘が恋に落ちるストーリーで、まあ、ラストも軽く想像する読者は少なくないものと思います。続いて、「どんでん返し」では、なかなかシッポをつかませない犯罪組織のボスを逮捕に導くために、メリーランド州警察の刑事がミステリ作家に組織壊滅のシナリオを依頼するという荒唐無稽であり得ないストーリーです。
もう1冊の『サプライズ・エンディングス 嘘』の収録短編で、「被害者クラブ」では、東部の名門大学の女性教授がパーティで薬物を盛られてハレンチな写真を撮られてネットにアップされます。大学フットボール部のスター選手などが容疑者に上りますが、大学サイドの守りも固くて警察が手出しできずにいます。続いて、「忘れられし者」はコルター・ショウのシリーズです。麻薬密売人の殺人と薬物所持ですでに裁判を終えて服役中の若者の両親からショウが依頼を受けて無実の証拠を探します。ストーリーとしては地味なのですが、やっぱり、キャラとして魅力的です。
続いて、「帰任報告」では、メキシコの麻薬カルテルの拠点に監視カメラを設置するため、エルパソ市警察と連邦麻薬取締局(DEA)が現地に乗り込みますが、情報がリークされていて危機に陥ります。『嘘』の中ではこれがベストかと思います。最後に、「ターニングポイント」では、現場にロシア人形のマトリョーシカを残す連続殺人事件について、ハンサムだが人格が破綻している悪党のマイケルと娘や家族思いのネヴィル刑事の2人の視点からストーリーが展開され、ラストで一気に逆転させます。表紙のマトリョーシカは、この短編に関して取られているのだと思いますが、本書の中では「帰任報告」に続く2番目として私は評価しています。
収録作品の総合力からすれば、『嘘』の方がクオリティが高いと感じましたが、短編作品の中では『罠』に収録されている「魔の交差点」が私は一番好きでした。まあ、私のようにこの作家のファンであれば、どちらも読むのだろうと思います。

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