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2026年07月06日07:40

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前川守『経済財政諮問会議の理念と歩み』(ぎょうせい)を読みました

前川守『経済財政諮問会議の理念と歩み』(ぎょうせい)を読みました。
著者は、私が長らく働いていた経済企画庁〜内閣府の先輩であり、次官クラスの審議官まで出世した後に退官しています。はい、ハッキリいって、エコノミストのキャリアを積んだ人ではありませんし、ご本人も自分が官庁エコノミストだとは考えていないと私は想像しています。
ただ、なぜか、経済社会研究所の次長や所長を務めていて、私が課長クラスの研究官をしていたころにお仕えした記憶がありますし、入庁年次も近いのでキャリアパスが違うとはいえ、小さな役所でもありますから、面識は十分あります。
本書は、タイトル通りに経済財政諮問会議の発足直前からの歴史を後付けるとともに、政府における経済財政政策の策定プロセスにおいて、経済財政諮問会議の役割を考えようとしています。大雑把に、小泉内閣のころが中心で、本書では第3章に当たります。その後の民主党政権に政権交代するまでの短い第1次安倍内閣、福田内閣、麻生内閣もカバーしていますが、第2次安倍内閣はスコープ外です。すでに、退官していた著者には情報が少ないのかもしれません。
私自身も内閣府や内閣官房の官邸スタッフとして経済政策策定プロセスは見知っているつもりですが、政策策定の前段階といえる調査や分析にかかわることが多く、実際に、政治レベルでの決定段階はよく知りません。その意味で、参考になった点は少なからずあります。もっとも、まったく出世に縁遠かった私ですら墓場まで持って行くような職務上知り得た秘密がありますから、大臣秘書官を務め、事務次官級の官庁のトップまで上り詰めたご著者ですので、とてもではないが本にして出版なんて考えられもしない部分は少なからず体験していることと思います。その部分は、当然にして、うかがい知ることはできません。
そういった欠落情報があることを前提にしつつも、やっぱり、日銀にかかわる金融政策に関する情報が少ないのは少し不満が残ります。本書のスコープ外ながら、第2次安倍内閣においてはアベノミクスとして、3本の矢の筆頭だった金融政策についての情報が少ないのは、政府から中央銀行が独立しているとはいえ、日銀総裁が経済財政諮問会議のメンバーなわけですので、もう少し何とかならなかったものか、という気がしてなりません。また、経済財政諮問会議の評価に着目した第5章では、引用がズラリと並んでいるだけで、評価の評価あるいは評価への反論がまったくありません。引用された評価が妥当なのか、的はずれなのか、著者独自の見方も欲しい気がします。
最後に、本書は学術書ではなさそうな気がしますので、余り形式的な点は指摘したいわけではありませんが、時折、常にではなく、あくまで時折、総理や大臣に対して敬語で記述している部分があります。著者のお人柄がしのばれて微笑ましいとは思います。

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