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2026年06月13日21:59

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毛利文香&小林海都@フィリアホール

毛利文香というヴァイオリニストを聴くのは初めてではない。
昨年の作曲家細川俊夫氏の古稀記念コンサートで無伴奏作品を聴いて妙に印象に残った。
その後ようやく聴く機会が来た。
ピアニスト小林海都とのデュオということだが、ずいぶんとんがったプログラムを考えたものである。

毛利文香:ヴァイオリン
小林海都:ピアノ

01.シューマン:3つのロマンス Op.94
02.ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ
03.ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
<休憩>
04.ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ(遺作)
05.バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 Sz.75
<アンコール>
06.ドヴォルザーク:4つのロマンティックな小品より、第1曲
07.ドビュッシー(ハイフェッツ/編):美しき夕暮れ

シューマン…
挨拶代わりと思っていたが、最初の音で魅了された。
なんという美しい音、そして歌い回し。
2曲目は有名なメロディーだが、その切ないこと。

ヤナーチェク…
このソナタが聴きたくて作年名古屋まで�睫暈ァ校劼離螢汽ぅ織襪帽圓辰燭里澄�
素晴らしい演奏で、名古屋まで行った甲斐があったと思ったものだが、まさかこんなに早くまたこの曲を聴けるとは。
この曲はピアノも難しそうだ。
拍節感があるようなないような…。
なにはともあれ、これが20世紀最高のソナタに分類されるものであることは間違いないだろう。
彼女は美しい音色を武器に、さらに切れ味鋭く曲に入り込んでいく。
そんなヴァイオリンをピアノは懐深く包み込むようだ。
こういうアプローチもアリなんだな。
ヤナーチェクのソナタはまだスタンダードという演奏が確立されていないのかもしれない。

ドビュッシー…
今日のプログラムの中ではいちばん知られているだろう。名曲としての評価も定まっている。
とはいえ、やはり斬新さは色褪せない。
ヴァイオリンは様々な音色を披露する。一方のピアノは微温的に響く。もっと明晰な音の方が合うような気がする。
そのため全体が模糊とした印象になる。とはいえ、注文を付けるほどのものでもないだろう。

ラヴェル…
若書きの未完成作品ということで、軽んじていたというのは確かにある。
ところが印象が変わった。
ヴァイオリンは終始美しい音色を響かせる。
ここでのピアノは一転して高音をクリアーに鳴らしていた。キラキラと美しい。
こういうピアノが弾けるのだ。つまり先述のドビュッシーは敢えてそう弾いていたということだ。
それが彼の(あるいは彼らの)解釈だということだ。それならそれで良い。
豊富な音色のパレットを持つピアニストだということがわかった。
良い曲だと思えたのは収穫。

バルトーク…
古今のヴァイオリン・ソナタの中でも高難度ということではトップクラスだろう。
ヴァイオリンとピアノは対等、というよりは相反するものとして扱われているようだ。
バルトークの曲の中で最も暴力的なものかもしれない。
ヴァイオリンとピアノのせめぎ合いが凄まじい。
第2楽章を終始緊張感を維持しつつ聴かせるのはさすがだ。
終楽章は燃えるような熱狂の中にどこか醒めた感じも漂う。そんな視点もバルトークには相応しいように思う。

凄いリサイタルだったなあ…。

アンコールはクールダウンするかのようにメロディーの綺麗な曲を2曲。
なるほど、アンコール込みで、シンメトリックな構成のリサイタルだったというわけか。

うん、いいリサイタルだった。

毛利文香というヴァイオリニストには注目していこう。
この人はタダモノではない。
もっともそうでなければ細川俊夫さんの古稀記念なんぞに呼ばれるわけがないか。
そうではあるが、あのとき閃いたのは必然だったのだ。

さて、来週金曜もフィリアホールだぞ、と。
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