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2026年06月06日07:43

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まさきとしか『大好きな人、死んでくれてありがとう』(新潮文庫)を読みました

まさきとしか『大好きな人、死んでくれてありがとう』(新潮文庫)を読みました。
著者は、ミステリ作家であり、本書も殺人事件から始まり、犯人が明らかにされる驚愕のラストが待ち受けています。ただ、世間的にいえばイヤミスということになるかもしれません。
ストーリーの始まりは30代男性の殺人事件です。殺害の現場は北海道Y市とされていて、夕張を強烈にイメージさせます。殺害された被害者は南田蒼太といって、かつて「ファンキーカラーズ」という7人組男性アイドルグループの一員でした。しかし、数年前に解散して、郷里の北海道に帰って親族の経営する菓子メーカーに勤務し、専務になっていました。それなのに、廃ホテルで刃物でメッタ刺しにされて殺害されたわけです。
章ごとに、視点を提供するという意味での主人公が入れ替わり、さまざまな事実関係を浮かび上がらせます。章番号が付されていないのですが、第1話では事件当夜に蒼太と接触していた職場のパート女性、第2話では元はといえば同じアイドルグループの一員だった男性、第3話ではかつてアイドルだった被害者に異常な執着と狂信的な愛情を向ける熱狂的ファン、第4話ではアイドルデビューする前に孤児となった蒼太を引き取って育てた伯母、第5話ではアイドルグループだったころの敏腕マネージャー、第6話ではかつてのアイドルグループだったころの絶対的センターと恋愛関係にあって捨てられた女子アナ、がそれぞれ視点を提供します。
驚愕のラストで真犯人が明らかにされます。ただ、証拠を基に名探偵が推理をめぐらせて真相を明らかにするというわけではありません。どのように真相が明らかにされるかは、真相そのものとともに読んでみてのお楽しみです。ただ、タイトル通りに、被害者が殺害されて、むしろ、喜んでいる人が少なくない、という意味でイヤミスといえます。

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