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2026年06月04日07:52

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宮田珠己『そして少女は加速する』(幻冬舎)を読みました

宮田珠己『そして少女は加速する』(幻冬舎)を読みました。
著者は、作家なのですが、紀行エッセイを中心に、日常エッセイ、書評、小説なども執筆と紹介されています。
本書はエッセイではなく小説であり、舞台は東京多摩地区、高幡不動のたぶん近くの設定であろうと推察される私立の高幡高校、その陸上部、それも女子部員が中心です。第1部で第1年目、また、第2部で第2年目の2年に渡っており、主人公は主として5人、第1部で2年生だった2人の女子陸上部員と1年生だった3名の女子陸上部員、第2部ではその5人が、そのまま学年が繰り上がります。
主人公の女子陸上部員はショート・スプリントの選手たちであり、本書で「4継」と陸上競技用語で表現されている100m×4人のリレーのチームを組み、インターハイ出場を目指します。はい、高校生の主人公による青春小説です。
高校生による青春小説ですから、恋愛や勉学・進学などもトピックとして扱われてはいますが、ほぼほぼ焦点は陸上に限定されます。その点をどう読みこなすかは、本書を評価する上でのひとつのポイントかもしれません。
私は陸上競技には疎くて、その分、楽しめなかった気もします。ただ、陸上競技は超をつけてもいいくらいに個人競技なのですが、そこにリレーという団体競技の要素も加味し、少しでも幅広い読者層に受け入れられる可能性を広げている点は理解できます。
スポーツだけにいまだに理不尽なやり方がまかり通っている部分も残っていますし、高校生くらいまでは1年の差が大きく、先輩と後輩の序列も明確です。もちろん、それぞれの女子陸上部員が置かれている家庭生活も千差万別です。
加速する少女たちの目標はインターハイ出場なのですから、青春小説としてラストは判りきっているにもかかわらず、最後の数十ページは緊張感あふれる筆致でグイグイと読ませます。ただ、やっぱり、陸上競技に詳しくない読者には500ページ近いボリュームは少し骨かもしれません。

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