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2026年05月03日07:58

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藤崎翔『お梅は魔法少女ごと呪いたい』(祥伝社文庫)を読みました

藤崎翔『お梅は魔法少女ごと呪いたい』(祥伝社文庫)を読みました。
著者は、元芸人にして現在ではもっとも売れている小説家の1人ではないかと思います。
本書は、お梅シリーズの第3弾です。かつては戦国大名の一族を滅亡させたほどの呪いの人形なのに、約500年ぶりの令和に復活してからはまったく呪いの人形らしくもなく、人々を幸せにしてばかりいるお梅が主人公のコメディです。
この第3作目では「ハッピー魔法少女イライザ」なる昭和45年に作られた西洋人っぽい外観の人形と出会います。イライザはそれほど流行らなかったアニメに由来し、お梅と反対で、人に幸せをもたらすという設定なのですが、失敗続きでそれほど人の幸せには役立っていません。でも、お梅が羨むような瞬間移動=ワープなどの特殊能力を持っています。
イライザと出会う「ぷろろをぐ」と意外な展開の「ゑぴろをぐ」を別にして、5話の連作短編から構成されており、いつも通り、実に緻密で素晴らしい出来のコメディに仕上がっています。収録順にあらすじは以下の通りです。まず、「孝行息子を呪いたい」では認知症で記憶が怪しくなった老婆、そして、老婆を世話する中年男性ごと呪おうとします。続いて、「さっかあ少年を呪いたい」では、弱小チームの補欠をしているサッカー少年の試合の場で、両チームの不和を増幅しようとします。
続いて、「修学旅行を呪いたい」では、田舎の高校の修学旅行のタクシー研修の4人の友人なし高校生の不仲を拡大しようと試みます。続いて、「とっぷすたあを呪いたい」では、シンガーソングライターにして俳優としても超トップクラスの男性一家を呪おうとします。最後に、「理解不能男女を呪いたい」では、ホストに貢ぐために風俗嬢になった女性と相手のホストの不幸を願います。
「修学旅行を呪いたい」を例外として、ほかの短編では完全な勧善懲悪のストーリーとなっています。冒頭で、「人々を幸せにしてばかりいる」と書きましたが、正確には悪人はこってりと罰せられます。イライザとのかけ合いはおもしろいのですが、まあ、お梅単独でもいいかな、という気はします。
「ゑぴろをぐ」の最後の最後に、本シリーズの今後の方向性に言及されていますが、実現するかどうかは、というか、作者に実現させようという意欲があるかどうかは不明です。

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