本ではなく学術論文で、"A Time to Unwind or Despair? Decoding the Impact of Commuting Duration on Psychological Distress" と題する論文を読みました。
経済学、私の専門外ながら、ミクロ経済学は特に何らかの制約条件下での最適行動を分析する学問である、と私は大学の新入学生諸君などに教えているのですが、何と、通勤時間にも最適点があった、という研究です。専門外の分野ですので、十分理解できた自信はありませんが、ノーベル賞よりはイグノーベル賞に近そうな印象です。
論文のAbstractを読むと、要するに、サンプル数は568人と少ないながら、米国における共働き世帯の成人を対象とした横断調査のデータを用いた多変量解析の結果、通勤時間と精神的苦痛 psychological distress の間にはU字型の関係があることが明らかになった、ということです。私はきわめて単純に、通勤時間と精神的苦痛は正の単調増加関数であり、通勤時間が長いほど苦痛は増す、と考えていただけに少しショックを受けました。専門外の分野ですので、論文にある Figure 1. The association between commuting duration and psychological distress based on results にその関係が示されています。
精神的な苦痛 psychological distress ということで、米国の共働きをサンプルに取っていますので、通勤距離=通勤時間の短い方が家事負担を多くこなす、というシステムを考えているようです。そのため、適当に長い通勤時間が家事負担を軽減するケースもあって、通勤と家事負担の両方込みで精神的な苦痛を計測するとこうなるのかもしれません。いずれにせよ、繰返しになりますが、私の専門外ですので詳細は判りかねます。というか、この解釈も間違っているかもしれません。
ホントのところを知りたければ、私の不十分なレビューだけで判断するのではなく、原論文をちゃんと読むのがベストだろうと思います。論文タイトルでweb検索すればヒットするかもしれません。悪しからず。
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