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2026年04月22日07:26

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岡田晃『経済で読み解く昭和史』(PHP新書)を読みました

岡田晃『経済で読み解く昭和史』(PHP新書)を読みました。
著者は、現在、大阪経済大学特別招聘教授なのですが、元来は日経新聞やテレビ東京のジャーナリストです。私は数年前に同じ出版社のPHP新書『徳川幕府の経済政策』を読んだことがあります。賄賂政治で評判の悪い田沼意次が老中をしていた時期の経済政策について、リフレ的な観点からの評価をしていたと記憶しています。
本書はタイトル通りに、昭和の歴史を経済で振り返っています。ですから、昭和2年1927年の金融恐慌から始まった戦前期を第1章で、第2章は戦争中の歴史、第3章で終戦直後の戦後復興期、第4章が昭和の高度成長期、第4章でドルショックと石油ショックによる高度成長の終焉から安定成長への移行期、第5章でバブル経済を取り上げています。はい、バブル崩壊は平成に入ってからの出来事になります。
私も大学の授業では戦後日本経済の歴史を軽く振り返ることをしています。ただ、本書のスコープとは少しズレがあり、さすがに授業では戦前戦中の経済は省いていますし、逆に、昭和末期のバブルで終わるのではなく、最近時点までの日本経済を追っています。
本書では、戦前期に高橋蔵相によるリフレ政策で世界に先駆けて世界恐慌の影響から脱した点を高く評価しています。また、第2次大戦直前のブロック経済化による対立の深刻化なども、昨年以来の米国トランプ関税などと対比する形で、適切に取りまとめられている印象です。ただし、戦後経済の出発点となったGHQによる農地解放、財閥解体、労働民主化などはもう少していねいかつ詳細な歴史的な後付けが欲しかった気がします。これらは、戦後経済発展の基礎となった諸条件を生み出しています。
その後の1970年代のドルショックや2度に渡る石油ショックについてはエピソード的によく取りまとめられています。私は、高度成長が1970年代に終わったのはこのドルショックや石油ショックが必ずしも原因ではない、とする学術論文「日本の実質経済成長率は、なぜ1970年代に屈折したのか」をもう20年余りも前に共著論文として書いているのですが、本書でも経済学的な因果関係というよりは、エピソードを幅広く取り上げている印象です。
最後に、大昔、大学で日本経済論を講義するには、高度成長期の経験が必要といわれていたと聞き及んだことがあります。それほど大昔でなくても、バブル期の経験が必要、といわれた時期もありましたが、現在では、グッと時代を下がって、リーマン・ショックの時期の経験くらいはあった方がいい、というレベルまでトーンダウンしています。バブル経済期の実体験ある私なんぞもそろそろ退職時期に差しかかっており、昭和の時代の経済を振り返るのは実体験ではなくこういった教養書に頼ることになるのかもしれません。

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