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2026年04月08日07:32

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我孫子武丸ほか『●●にいたる病』(講談社)を読みました

我孫子武丸ほか『●●にいたる病』(講談社)を読みました。
著者が6人いるアンソロジーなのですが、一応、我孫子武丸デビュー35周年記念アンソロジー、という中途半端な周年企画のようです。ですので、我孫子武丸の代表作のひとつ『殺戮にいたる病』にヒントを得たタイトルとなっており、収録されている6短編のうち、最後のものを除いて「xxにいたる病」というタイトルがついています。
その収録短編の作者とタイトル、あらすじは以下の通りです。まず、我孫子武丸「切断にいたる病」は、はい、グロテスクな猟奇殺人事件です。殺されたのは、AV俳優からAV制作会社の社長になった男性で、切断された体の部位は、多くの読者の想像通りです。神永学「欲動にいたる病」は、ある意味でエモいです。主人公の中西は現場に駆けつけた警察官なのですが、目の前でたった今行われたであろう殺人現場を見て、美しいと思ってしまいます。血まみれの中学生が同年代の少年を滅多刺しにし、ポニーテールの少女が、その刺された少年を、自身も血まみれになって抱きしめていました。
姿背筋「怪談にいたる病」は、当然にホラーです。幽霊が見えるという35歳の女性は、なぜその幽霊が見えるようになったのか、その経緯を語り始めます。彼女は大学の映画研究部に所属して知り合った男性と結婚し、出来た子供の絵がきっかけでした。真梨幸子「コンコルドにいたる病」は、叙述トリックのミステリーをテーマにしています。売れない作家がせっかく書いた原稿を、編集者によって何度もボツにされて書き直しを要求されます。
矢樹純「拡散にいたる病」もややホラーです。深夜ラジオ番組の構成作家が主人公で、ラジオで取り上げた投稿に関してのクレームが女性からあり、投稿の怪談話が女性の父親が以前に書いた小説の内容と酷似していて、和解の条件として、女性が父親と住む青森の自宅まで謝罪に来ることを要求されます。歌野晶午「しあわせにいたらぬ病」は、タイトルは外していますが、ミステリというよりホラーとして私は読みました。すなわち、介護施設に勤める女性の主人公が、休みに勤務している施設から介護先に様子見に行くよういわれて赴くと、そこにはには女性2人の遺体がありました。
最後に、下敷きにされている我孫子武丸の代表作のひとつ『殺戮にいたる病』は、確かに倒叙ミステリであり、グロテスクでもありますので、その意味では、ご本人である我孫子武丸作品と真梨幸子作品がテーマに沿っているといえます。ただ、神永学作品や歌野晶午作品もミステリというよりホラーとしていい出来に仕上がっており、本家作品を超えるかといわれればビミョーですが、アンソロジーとしてなかなかオススメです。

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