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2026年03月28日08:07

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和泉桂『奈良監獄から脱獄せよ』(幻冬舎)を読みました

和泉桂『奈良監獄から脱獄せよ』(幻冬舎)を読みました。
著者は、小説家なのでしょうが、私は初読の作者さんでした。
本書の舞台は大正6年の奈良です。主人公の弓削朋久は京都帝国大学を出て、奈良にあるキリスト教系で私立の橘樹女学校の数学教師をしています。しかし、その女学校の生徒である小笠原寧子を殺害したという冤罪で20年の刑を受け、奈良監獄に収監されます。その奈良監獄に新たな囚人として羽嶋亮吾が、勤め先の印刷会所社長殺害により無期懲役で収監されます。これも冤罪でした。羽嶋は小学校には2年しか通わなかったのですが、目で見たものはそのまま映像として記憶できる特技を持っていました。羽嶋の囚人番号は496という完全数でした。完全数とは、その数字以外の約数の和が、その数字と同じになる数字であり、小川洋子『博士の愛した数式』では阪神タイガースのサウスポー江夏投手の背番号としても登場します。
他方、長谷川幸吉が奈良監獄の典獄として着任します。長谷川典獄は帝大出の囚人である弓削を蔑みつつも利用しているつもりなのですが、逆に、弓削が長谷川典獄の気質を読み取って心理的に操ることにより、また、羽嶋の特技を活かしたり、暗黙のうちに囚人仲間の協力を得たり、はたまた、監獄の構造や警備体制を調査しつつ、羽嶋とともに2人で奈良監獄を脱獄することを計画します。
どうでもいいことながら、私は奈良の中学高校に6年間通っていて、それなりに土地勘あって旧奈良監獄の場所なども見知っている上に、星野リゾートが重要文化財の旧監獄を活用したラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」を今年2026年6月に開業するとニュースで聞き及んで、本書を思い出して読んでみた次第です。

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