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2026年03月21日08:06

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高田崇史ほか『それはそれはよく燃えた』(講談社)を読みました。

高田崇史ほか『それはそれはよく燃えた』(講談社)を読みました。
著者は、25人の作家であり、若手作家から皆川博子や島田荘司といった大ベテラン作家まで、きわめて幅広い作家が執筆しています。
25人の作家による25のショートショートを収録していて、すべて書き出しの1文が統一されているシリーズ、会員制読書クラブ「メフィストリーダーズクラブ(MRC)」で有料会員限定コンテンツ「MRCショートショート」で公開された作品です。
『黒猫を飼い始めた』、『嘘をついたのは、初めてだった』、『これが最後の仕事になる』、『だから捨ててと言ったのに』、『新しい法律ができた』に続くシリーズ第6弾だそうです。執筆者は出版社のサイトで一覧されています。私は本書以外のこのシリーズは最初の『黒猫を飼い始めた』と『これが最後の仕事になる』を読んでいます。
当然、本書では「それはそれはよく燃えた」で始まるショートショートが収録されています。収録されているショートショートのうち、ホントに燃えたものは少なくありませんが、語感からSNSの炎上をテーマにする作品がもっとあるかと思いましたが、それほどでもなかった、というのが私の印象です。
収録作品すべてはムリですので、思いつくままにいくつか取り上げると、米澤穂信「燃えろ恋ごころ」は、高校生の燃える恋で始まって、最後の1行で大きなどんでん返しがあります。短いながらも伏線も巧みに配されていました。我孫子武丸「消えない炎」は、その昔のチャイナ・シンドロームも持ち出しながら、原発の怖さをブラックジョークとして描き出しています。
秋吉理香子「ファンの鑑」は、この作者らしいイヤミス的な作品で、女子校の同級生のアイドルをファンとしてサポートし続ける目的がブラックに取り上げられています。矢樹純「人形供養」や三津田信三「忌物を燃やす」は、まさにホラーであり、どんど焼きやお焚き上げなどで呪物を処理しようとする行為を思い起こさせます。
最初の1文だけが統一されたお題で、2文めからは何ら関連性を欠くショートショートのアンソロジーで、しかも、作者紹介まで含めても200ページ足らずのボリュームですので、短い空き時間にスマホをいじる代わりにとっても有益な読書ができそうな気がします。

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