上條一輝『ポルターガイストの囚人』(東京創元社)を読みました。
著者は、まだ会社員の兼業作家らしいのですが、前作『深淵のテレパス』で創元ホラー長編賞を受賞してデビューしています。私はこの前作を読んで高く評価していますので、次作の本書も読んでみた次第で、その評価は裏切られませんでした。
本書も映画宣伝企業に勤務する芦屋晴子と越野草太の「あしや超常現象調査」の2人が御茶ノ水自由大学の研究者と協力して超常現象のデータを収集するというシリーズ第2弾です。タイトル通り、ポルターガイストがテーマになっています。
あしや超常現象調査に案件を持ち込むのは、アラフォーで売れないイケメン俳優の東城彰吾です。父親が脳卒中で施設に入った後、雑司ヶ谷にある古い一軒家の実家に戻るとポルターガイストに悩まされます。越野が中心になって法則性を探り一応の対策をしますが、超常現象は続いてしまいます。そして、依頼者の東城彰吾は行方不明になってしまいます。
前作でも登場した元警察官で現実主義者の倉元、超能力者のオカルトマニアの犬井、そして、倉元の事務所で働き始めた前作の被害者(?)の桐山楓がチームになって超常現象の解明に努めます。
前作と同じ登場人物のキャラが明確で、単なる怪奇現象や超常現象というだけではなく、この作品ではチョッピリ科学的な裏付けらしきものもありますし、ラストはアクションシーンもあって、前作よりも格段にパワーアップしています。加えて、依頼者の東城彰吾が行方不明になってからの場面では、叙述トリックも駆使されています。ですので、ホラーなのはもちろんですが、ミステリの要素も入ってたりします。はい、私のようなジーサンでも前作よりもずっと怖いと感じました。
未確認で、SNSか何かの情報だと思うのですが、このあしや超常現象調査シリーズは三部作で、次作で完結というウワサを小耳に挟みました。もしホントにそうなら残念ですが、私は次作も読みたいと思います。
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