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2026年02月18日08:04

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上川龍之進『消費税と政治』(有斐閣)を読みました。


著者は、大阪大学大学院法学研究科の教授であり、ご専門は政治過程論、現代日本政治、行政学だそうです。本書はあとがきにあるように、著者による「財政政策に関する研究の集大成」(p.377)と位置づけられています。今年2月の総選挙でも消費税減税が各政党の公約として持ち出されましたし、加えて、私の専門とする経済学の隣接領域でもあり、読んでみた次第です。
構成としては、序章と第1章で日本の財政赤字について概観し、そもそも、国際的にもかなり小さな政府で政府予算の歳出の規模は決して大きくないにもかかわらず、先進国の中で突出して公的債務残高が大きい謎を示し、要するに、歳入が歳出に輪をかけて少ないからである、と指摘しています。まあ、当然です。
その上で、第2章で1965年度の赤字国債発行から始まって、第8章のアベノミクスまで、延々と消費税の導入と税率引上げの歴史を後づけています。すなわち、財政再建策としての消費税がどのように位置づけられ、歴代首相がどのような理念や思惑で導入・増税を進めたかを、官僚・財界・世論の影響も含めた政治過程論として描き出しています。この部分は、本書の中心となる部分のひとつかもしれませんが、エコノミストの私にはそれほど関心ないところで、昼食に知り合いのエコノミストとビールを飲んで酔っ払って、半分居眠りしながら流し読みしてしまいました。
著者と出版社も考え合わせて、完全に学術書なのでしょうが、こういった歴史回顧の部分が多くのボリュームを占めていて、多くのビジネスパーソンにも判りやすくなっている反面、私には物足りなく見えました。ただ、しっかり読めば消費税の導入と税率引上げに関する政治過程論として十分な内容なのかもしれません。
エコノミストの目から見て、消費税に関する多くの政治的決定が総理大臣のパーソナリティから論じられている気がして、財政の背景にある経済の景気動向などが少し軽視されている印象があります。特に、終章の総括において、p.341以下の財政再建への態度の要因分析があまりに雑で、分析というよりは適当に分類しただけのように見えます。
それは、政治過程論だから経済学的観点は一部捨象されている、ということなのかもしれません。政治過程論であるならば、いわゆる中選挙区制のころの総理大臣官邸と大蔵省のパワーバランスと小選挙区になってからの官邸と大蔵省/財務省のパワーバランスはもう少していねいに分析してほしかった気がします。
最後の最後に、タイトルが消費税であって、サブタイトルに財政再建が入っていますが、小泉内閣の時の三位一体改革がまったく無視されています。中央政府と地方政府の関係なども、それほど歴史をさかのぼることなく、最近の分だけでもOKなので、もう少していねいに論じてほしかった気がします。その意味で、ほぼほぼ消費税の歴史の本でした。

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