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2026年02月17日08:15

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此本臣吾[監修]・森健[編著]・NRI拡張社会研究会チーム[著]『AIで拡張する社会』(東洋経済)を読みました。

此本臣吾[監修]・森健[編著]・NRI拡張社会研究会チーム[著]『AIで拡張する社会』(東洋経済)を読みました。
著者は、野村総研(NRI)のグループです。本書は3部構成であり、第1部はAIの現在までの進化と将来の予想、第2部は人間を中心に据えた知力の拡張、第3部はマクロの社会の拡張を考えています。表紙画像のサブタイトルに見られるように、知性、労働、経済の未来予想図を考えています。
まず、AIが拡張する知力としては6項目を並べています。すなわち、予測する=Predict、識別する=Distinctify、個別化する=Customize、会話する=Comunicate、構造化する=Model、創造する=Create、となります。その萌芽的な実例がp.74図表3-1に示されています。そして、単なるソフトウェアとしてのAIだけではなく、フィジカルなロボットも同時に議論していて、ロボット店員なんてのも議論されています。自動運転はソフトに重きがあるものの、ハードとしての自動車も考えれば、中間的なものかもしれません。
私が少しびっくりしたのは、カーネマン教授の指摘するシステム2だけではなく、システム1も可能なAIが登場する可能性です。演算の速さから考えて、時間をかけるシステム2がAIの主たる活躍の場であることに変わりないのでしょうが、システム1も実装するAIが登場する可能性も本書では指摘しています。
AIに対するキーリソースとして、学習データ、半導体、電力、冷却水を上げていて、AI活用の制約を考えるとともに、もちろん、個人情報保護やAIの暴走といったリスクも忘れてはいません。私は賢い人が詐欺に走ったら、私のような凡人がコロリとだまされて、被害が大きくなると前々から考えていたのですが、そういったAI詐欺についても取り上げています。もちろん、労働がAIで代替された失業も議論されています。詳細は読んでみてのお楽しみです。
本書を読んでいて、私の最大の疑問はAIは人間を補完するのか、あるいは代替するのか、という観点です。本書では前者の補完を主として考えていますが、労働や雇用を考えると代替の観点も忘れるべきではありません。場合によっては、人間がAIに知性の点で凌駕され、AIが操るフィジカルなロボットはもともと人間の身体能力を上回っていて、人間がAIに支配される、あるいは、隷従するという将来が考えられなくもありません。
AIはマイクロな個々人に対するリスクとチャンスの両面ありますが、マクロな経済社会にもリスクとチャンスの両方があり得ることは忘れるべきではありません。その意味で、日本はAI利用が遅れていたので助かった、被害が小さかった、という未来もあり得る、と私は考えています。

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