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2026年01月19日08:52

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マルチェロ・ムスト[編著]『マルクス・リバイバル』(地平社)を読みました。

マルチェロ・ムスト[編著]『マルクス・リバイバル』(地平社)を読みました。
著者は、カナダのトロントにあるヨーク大学社会学教授であり、マルクス研究の復権に近年多大な貢献をしてきた論者として世界的に知られる存在だそうです。
実は、この編著者を招いて、今週、私の勤務する立命館大学で講演会がありました。私も出席しようかと考えなくもなかったのですが、先週に私が参加した経済学部教員の飲み会で講演会が話題になり、reprpductive/reproduction とは、私は something 不妊治療だと思っていて、普通は不妊治療も含めた生殖医療を指すのですが、マルクス研究では「再生産」という特殊な意味を持つ、と聞いて少し驚いてしまいました。
少なくとも本書冒頭の資本主義を邦訳している我が同僚教員の宇野派のプリンスは、私の理解が通常の英語の理解だろうと認めてくれましたが、どうも、マルクス研究の界隈では違うようです。
私は官庁エコノミストとして60歳の定年まで公務員をしていて、まさに、政府公認の経済学を持ってお仕事をしてきたわけで、マルクス研究ははるか彼方の大昔の大学生だったころで終了しています。ですので、日本語でも理解がおぼつかないマルクス研究なのに、英語の講演会では出席しても意味はなかろう、と考えて出席は取り止めました。本書も読んでみましたが、それほど理解がはかどったとも思えません。
序章に続いて、冒頭の資本主義や共産主義、さらに、民主主義から始まって22のチャプターで専門家たちが最近時点でのマルクス研究の成果を紹介しています。最後の22章は、マルクス主義と題してウォーラーステイン教授が執筆しています。繰返しになりますが、冒頭章は資本主義と共産主義から始まる一方で、私がマルクス研究のもっとも興味ある経済学と歴史研究については章立てされていない点は少し不思議に感じました。まあ、好意的に考えれば、経済学や歴史研究についてはすべてのチャプターでそれぞれ言及されている、ということなのかもしれません。いくつかの章で史的唯物論というのはお目にかかった気がしますが、それでも、歴史発展の方向性や法則は私にとってはマルクス研究のもっとも重要なポイントのひとつですので、章立てしてほしかった気がします。
最後に、ノーベル経済学賞に日本人がまったくウワサにもならないように、主流派経済学では日本の学界や研究者は決してトップレベルに達していません。ほど遠いといえます。本書を読むと、これまた、マルクス研究でも日本人研究者がまったく執筆に参加していません。グローバル化をテーマとする第16章執筆のチョン・ソンジン教授が慶尚北道国立大学の所属となっていて、韓国のご出身のように見えます。日本人研究者は主流派経済学だけでなく、マルクス研究でも遅れを取っているのだろうか、と少し気になってしまいました。
極めて限定的な私の経験からして、日本のマルクス研究は脱成長と環境問題に重点を置いているように見えますが、AIをはじめとする技術進歩の問題にもマルクス研究の観点からの発言を期待しています。はい、大いに期待しています。

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