一橋大学経済学部[編]『新・教養としての経済学』(有斐閣)を読みました。
編者については、今さら私ごときが言及する必要はないと思います。本書は2013年に出版された『教養としての経済学』の改訂版であり、大学経済学部の初学者、あるいは、相当にアドバンスな意識の高い高校生を対象に、経済学とはどういう学問かをやさしく解説しています。
私も、一応、経済学部生ではなく他学部生のしかも1年生を相手にする授業がいくつかあり、そもそも経済学とはなにか、についても必要に応じて教えています。最適化や均衡といったいくつかのキーワードを基に、新たな価値が付加されたり、あるいは、保存されたりし、最後に、使い尽くされる財やサービスを労働や資本を用いて生産し、分配し、輸送したりする経済活動をシステムとして理解し、あるいは、解明しようと試みる学問である、と教えています。まあ、判ったような、判らないような定義です。
本書では、第�吃瑤覇�本・世界経済の現状を概観した後、環境問題、データ分析、理論モデル、マクロ経済と金融、歴史、数学と統計学を各部で詳述しています。私自身はマクロ経済学が専門なのですが、本書では、マクロ経済についてはほとんど言及なく、マクロ経済とは景気循環や財政ではなく金融が大きな部分を占める、といわんばかりの扱いになっているのは少し残念です。GDP統計や成長とか、失業とか、もう少しマクロ経済のトピックが欲しかった気もします。
極めて多数の教員や研究者が執筆に当たっていますので、精粗まちまちで、難易度もまちまち、参考文献も大量にあったりなかったり、というのは仕方ないものと考えるべきですが、いずれにせよ、こういった試みはそれほど多くないので、大いに参考になります。
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