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2016年10月30日22:06

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ショパン『ピアノ協奏曲の世界』@佐倉市民音楽ホール

秋には佐倉に行かないと。
(先週も行ったのだが、それはまた別のお話)

千葉県佐倉市にある市民音楽ホール。
ここでピアニストの三浦友理枝が毎年コンサートを行なっている。
今年はいつもとは変わった趣向。
まず金曜ではなく日曜日。
そしてリサイタルではなくコンチェルト。しかもショパンのコンチェルト二曲をいっぺんに弾いてしまおうという仰天企画。

ショパン『ピアノ協奏曲の世界』 〜ピアノ協奏曲2曲を聴く〜

直井大輔/千葉交響楽団(旧ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉)
三浦友理枝:ピアノ

01.ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 Op.21
02.ショパン:前奏曲 第7番、ワルツ 第7番、華麗なる大円舞曲(レ・シルフィードより)
<休憩>
03.ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op.11
04.チャイコフスキー:祝典序曲『1812年』 Op.49

前半に2番、後半に1番。
番号順ではなく、作曲順ということだろう。

つまり2番は1番よりも若いころの作品。
どちらが好きかと問われれば2番かなと思う。より陰影が深いように感じるからだろうか。
抒情的にメロディーを歌わせるロマンティックな演奏だが、絶えず凛とした雰囲気を纏っている。こうしたちょいビターなショパンは彼女ならでは。

もうずいぶん前に彼女の弾く1番を聴いた(サントリーホールにて、日本フィルと)。
曲の解釈についてはさほど大きな変化はなかったように思う。ただ細部までより神経の行き届いた演奏だと感じた。第2楽章の星のきらめきのような表現は絶品。終楽章の舞曲的なノリも得意とするところ。
情感の振幅がより大きくなったという感じだろうか。ケレン味たっぷりに弾いても甘くならないところが彼女の個性だ。
ときおり笑顔を見せるほどの余裕の快演。
甘くなり過ぎず、かといって淡白にもなり過ぎず、そのあたりの塩梅が難しい曲だと思うが、こうした演奏で聴くと、なんだかんだ言いつつもいい曲だと思う。

オケはさすがプロ(千葉唯一のプロオケだそうだ)。
過不足のないきっちりとしたサポートを聴かせていた。
木管金管セクションが充実しているように思う。

『レ・シルフィード』はバレエ音楽としてショパンの曲を管弦楽用に編曲したもの。ショパンのメロディーを生かしたアレンジが成されている。ただこれは冒頭に演奏するよう組んだ方が良かったのではないかと思う。そうすればピアノを移動させる手間が省けたのに。
ショパンばかりのプログラムの中で『1812年』は違和感があったが、アンコールという扱いだと思えばいいのだろう。たまにはこういう曲を聴くのも悪くない。

今日はコンチェルトということで2階席のいちばん前を手配。
大きなホールではないから2階席でも近い。音の響きもなかなか良く、正解だったと思う。

15分の休憩込みで2時間半弱という長丁場。
大協奏曲2曲だしねえ…。
体力的にも過酷だったと思う。

終演後に友理枝ちゃんのお母様とお話をしたのだが、1番は子どものころからずっと弾いてきたので安心して聴けたとのこと。逆に2番はドキドキしてしまったのだそうだ。
その2番も素晴らしかったけどね。

彼女は舞曲っぽい曲をとても上手く弾く。
正確なタイム感覚と安定した技巧で高揚感を煽る。
ショパンの2曲然り、グリーグやチャイコフスキーも然り。
それゆえ終楽章もクライマックスなのだ。彼女の弾くコンチェルトを聴くおもしろさはそうした点にもある。

後ろに座っていた年配の男性が連れの人に「(詳しいことは)よくわからないけど、この人はすごいね。追いかけたくなっちゃうね」と言っていた。
そう、そういう感覚こそが大事なんだよね。
それに「可愛い顔してすごいピアノを弾く」というギャップ萌え的な要素もあるかも。

なんにせよ、いいコンサートだった。
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