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2015年05月07日23:10

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LFJ、総括

今年のLFJの詳細が発表になったとき、気分がぐっと盛り下がってしまった。
行くのをやめようかとさえ思ったくらいである。
10年が過ぎて新しいことにチャレンジしようとしたのだろう、これまでの作曲家や国といった具体的なテーマではなく、「パシオン」という曖昧なテーマが設定された。
それがかえって捉えどころがないような印象になってしまったように思う。
言ってみればなんでもあり状態で、タイムテーブルから魅力的な公演を探し出すことからして非常に困難である。
もともと来日組に魅力的な演奏家がさほど多くないのも例年通り。来日組が多いのと場所代を考えると仕方がないとは思うが、ハーフサイズのコンサートのわりには料金が安くはない。

ところが個々に見てみると聴いてみたくなるような公演は決して少なくない。
「パシオン」というテーマから離れてしまえばいいことに気付く。
もっともかなりマニアックな線を選べばということになるのかもしれないが。

今回選んだ公演はどれも充実したものだった。
9公演のうち4公演を占めたヴォックス・クラマンティスの美しく精緻なコーラスを堪能したLFJだったと言えるように思う。ことに白眉はペルトのヨハネ受難曲ということになろう。
また来年も来てくれることを期待したい。

御喜美江のアコーディオンは初めて聴いたが、噂に違わずいい演奏だった。
クレール=マリ・ル・ゲのピアノによるバッハも充実していた。
バッハ・コレギウム・ジャパンによるマタイ受難曲も今回の目玉だったかもしれない。超が付くくらいの名曲だが、実演に接する機会は意外に少ない。
ラ・ヴェネクシアーナも高名な古楽団体だが、来日後の歌手の体調不良というアクシデントでプログラム変更をせざるをえなくなった。歌い手たちのパフォーマンスはさすがだったが、器楽陣がハープとテオルボだけというのは少々淋しかったように思う。
一噌幸弘、吉見征樹、太田惠資らによる公演はLFJらしからぬ痛快さ。舞を見ることができたのも貴重だった。

無料公演は結局マトリョミン・アンサンブルのみ。
これは楽しかった。

人出はどうだったのだろうか?
体感では昨年よりも混雑していなかったような気がする。
屋台村ではテーブルやイスの争奪戦が繰り広げられていたが、限られたスペースではこれ以上は増やせまい。運がよければ座れる。これもタイミングである。
屋台で出している料理はなかなかレベルが高いようだ。最終日にようやく堪能できた。

選んだ公演にもよるのだろうが、今回は比較的静かだったように思う。
子どもが騒ぐようなこともなかった。もっとも、子ども連れが選ばないような公演ばかりだったので、そもそも子どもが少なかったのかもしれない。
どんな音楽だって子どもにわからないものはない。子どもだから難しいとか子どもにはわからないとか言うのは大人の勝手な理屈である。なのでどのような公演であろうと子どもが聴くことには賛成である。
ただ自分の子どもが興味を持てる公演を選ぶのも、きちんとマナーを教えるのも親の役目であろう。

なにはともあれ、私にとっては思っていた以上に楽しめたLFJだった。
裏街道を歩くような選択をしてしまったので、全体としてどうだったのかは全くわからない。
もっとも、自分なりのテーマを設けて楽しむというのも手だとは思う。
一昨年はテーマは「パリ、至福の時」だったが、アンサンブル・アンテルコンタンポランの5公演を中心に現代音楽をキーワードにスケジュールを組んだ。10回目の記念大会だった昨年は、10人の作曲家がテーマだったが、裏テーマとも言える(本場ナントのメインテーマ)アメリカものを中心に組んだ。
で、今回はバッハとペルト。宗教音楽というのもキーワードになっていて、必然的に合唱ものが多かった。
まあ、難しいことを考えずに聴きたいものを聴けばよいのだろう。

あと、苦言を呈するなら、チケット争奪戦はどうにかならないものかと思う。
まあ、争奪戦は仕方がないにしても、先行の手数料は何とかしてほしい。1公演あたりでは手数料だけでバカにならない。複数公演のエントリーを1回と数え、それに対しての手数料にならないものか。せめて日にち単位とか。
まあ、これはLFJだけのことではないのだが…。
クラシック最大のイベントを自認し、啓蒙的な役割も担っているのだから、そのあたりの画期的な方法論を期待したくなるのであった。
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