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2015年01月14日21:59

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Still Life

いちばん好きなバンドは、と訊かれるとヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイター(Van Der Graaf Generator、略してVDGG)と答えることにしている。たいていは「???」という顔をされるのだが、そこが妙にマニア心をくすぐるわけである。ただ説明するのが面倒なときはキング・クリムゾンとかジェネシスとかザ・フーとかレッド・ツェッペリンとか適当に答えている(もちろんこれらのバンドも大好きだが)。ザ・フーだと通じないこともある。
まあ、VDGGが無名に近いのは日本だけであって、ことにヨーロッパではいまだに絶大な人気を誇る。英国プログレの奥座敷のようなバンドなのである。

全盛期のメンバーは以下の4人。
ピーター・ハミル:ヴォーカル、ギター、ピアノ
デヴィッド・ジャクソン:サックス、フルート
ヒュー・バントン:オルガン、ベース
ガイ・エヴァンス:ドラムス

70年代は実働期間が短かったが、今世紀に入って奇跡の再結成を果たし、デヴィッド・ジャクソンを欠いたものの現在もトリオとして活動中。
昔の名前で出ています、ではなく現在に通じるロックを奏で続けている。
編成を見ての通り、専任ギタリストと専任ベーシストが不在で、管楽器が加わるという特異な形態である。ベースはオルガンのペダルで代用しているため、重低音が持続するというこれもまた変わったサウンドになっている。ロック&メタル界を見てもこれほどの重低音が響くものはほかにないだろう。
慟哭の詩人ピーター・ハミルが後世に与えた影響は大きく、デヴィッド・ボウイ、ピーター・ガブリエル、ブルース・ディキンソン、ジョン・ライドンなど多岐に渡る。

何故いきなりこんな話を始めたかというと、先日BABYMETALの「新春キツネ祭り」のアンコール最後の『Road of Resistance』で目頭が熱くなってしまったからだ。過酷な試練を克服してきたBABYMETAL(神バンド含む)の雄姿に「オレはずっとベビメタを応援するんだ!」と柄にもなく熱い思いに駆られてしまったのだ。
ライヴでこんな感極まるような経験をしたのはいつ以来だろうかと考えたとき、そうかVDGGのライヴだったかと思い当たったのだ。

VDGGの初来日は再結成後の2008年6月。そう、70年代に日本に来ることはなかったのだ。
そのときは「あのVDGGを見ることができる!」という興奮でただただ集中してその演奏を見ていた。
そして二度目の来日は2012年8月。プログレ・フェスのために来日し、川崎のクラブ・チッタにて1日だけ単独公演が開催された。全席指定の最前列というとんでもない席だった。二度目ということもあって余裕を持って楽しむことができたのだが、間近で見る彼らは神々しいばかりで、それはそれで緊張した。ピーターと目が合った(ような気がする)のも一度や二度のことではなかった。
そしてアンコールの出だしを聴いた瞬間に視界が曇ってしまった。
『Still Life』、彼らの曲の中で私が最も愛する曲である。初来日時は私の行った日には演奏されなかった。ピーターのソロ・ライヴでは聴いたことがあったが、バンドではもう一生聴くことはできないのではないか、そんなふうに思っていた。
ヒューの壮麗かつ繊細なオルガンに乗せてピーターが形而上的で哀しい言葉を慈しむように紡ぐ。
幸せな時間だった。長く生きていればいいこともあるものだなと感じた。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1866843679&owner_id=3696995

ロックはスタイルではない。スピリッツなのだ。
VDGGはそのことをいまだに感じさせてくれるバンドである。

ピーターは単独でほぼ毎年来てくれているのだが、今年か来年あたりにバンドで来てくれないだろうか。
なにしろ彼らももう若くはないからな。
新作もそろそろ出てもいい頃じゃないかい?

Van Der Graaf Generator 『Still Life』(1976)


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