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2014年08月22日21:43

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うちの娘たち

銀座のヴァニラ画廊で開かれていた少女主義的水彩画家たま女史の個展、今回はかなりの数の作品が売れていた。展示作品の2/3くらいだから相当なものである。
連れて帰れるものならばできるだけ多くの子たちを引き取りたい。そう思うが、現実にはそうできないのも事実。なのでどの子を引き取るべきか大いに迷う。迷うこともまた楽しいとも言えるのだが。

絵の買い方なんぞ人それぞれでいいと思う。

いいと思うのだが、謙虚でありたいと思う。
たまさんが「あそこにもらわれていって良かった」と思えるような客でありたい。

では、ここでうちにいる子を全て紹介。。。
(特に断りのないものはポストカードをスキャン)

『Hopeless mermaid』
 フォト
いちばん最初に来た子である。個展最終日の夕方までよく残っていたものだと思う。雑誌「an・an」で紹介されたこともあり、たまさんの代表作のひとつと言ってもいいだろう。
描き込まれた海の生き物と海の色のグラデーションが見事。
希望を失った人魚が赴く先は人間界なのか? 人間界に赴くということが希望を失くすことなのか?
うちに来てもうすぐ5年になるが、それでも見入ってしまうことがある。うちにいる子の中ではいちばんのオトナである。
2009年の個展『Gallows』の代表作のひとつ。

『Maniac Table』
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やや小さめの作品。
この構図は「死と乙女」のバリエーションではなかろうか。
食卓の上の腹を掻っ捌かれた魚が死の象徴。ここにも海の生物がたくさん描かれている。
狼は死神か。
2010年春のヴァニラ企画展のための新作。なので原画を見た人は少ないだろうと思われる。

『Chain girl』
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描き込みが半端でない室内画。
本物の少女は左端の一人のみか。あるいは三人とも生身の少女か?
背景の小物たちが賑やかに主張を始める。少女たちが主役なのか周りが主役なのか幻惑的な画面になっている。たまさんのお祖母様のゆかりの調度品などがたくさん描かれているのだそうだ。
2011年の個展『Epitaph』を代表する作品。

『Rood』
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たぬ〜が気に入ったので来てもらうことにした。
まるで『禁じられた遊び』のよう。少女の笑顔にはいくらかの邪気が含まれている。ゴスロリの服がよく似合う。磔にされたぬいぐるみや人形たちが切なさを誘う。『Rood』とは十字架のキリスト像のことを言う。だとすればこの少女は復活を果たしたのか?
この作品はなぜか画集にも収録されず、ポストカードにもなっていない。なのでとってもレアかも。
(これは写真をパチリ、反対側の額の縁が写り込んじゃってるなあ)

『Magic book』
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ハロウィーンをテーマにした作品だろう。珍しく毒のない作品。魔女っ娘の可愛らしさとオバケのとぼけた様子がいい感じ。
これのみスパンアートギャラリーにて購入。企画展の際に画廊の奥の事務所のようなところにひっそりと飾られていた。展示されていること自体が公にされていなかったようだ。確かにそのときの企画展のテーマにはそぐわない。アパレル・ブランドとコラボで作ったTシャツの絵柄になっていて、原画を見てみたいと思っていたのだ。なのでこの原画を見たことのある人は少ないのかもしれない。

『For the last』
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2012年の個展『Lost Garden』の大人気作。初日にそうとは知らず選んでいた。早々に嫁入りが決まってしまったことを残念がっていた人が多かったそうだ。
水彩での火の表現は非常に難しいのだという。時間もかかり苦労もしたそうだが、会心の出来となったようだ。高度な技術の冴えを感じさせる作品でもある。
色味の多い綺麗な作品だが、少女が行なおうとしているのは魔術である。床に五芒星が描かれている。そして左上の壁に掛けられた山羊の頭部がなにやら不穏な空気を醸し出している。

『Send off』
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個展最終日に来てもらうことにした。通称ドナドナ。
旅の終わりが平和でないことは想像がつく。狼の存在が道中ですら穏やかでないことを象徴する夜の風景。
姉妹だろうか、悟ったような静かな表情の姉と、お菓子を食べる妹とのコントラストも鮮やか。
先日ヴァニラでディレクターが「ドナドナを思い出すと切なくなる」と言っていた。なので「大丈夫、まだ旅の途中ですよ」と言ったらウケていた。
独特の詩情に満ちた作品で、これも珍しいタイプかもしれない。
(これは写真をパチリ、光が写り込んじゃってるなあ)

さて、ここからは今回の個展『Secret Mode』から。

『Best Friend』
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森の光景。下半身が白馬の少女と翼の生えた少女。
狩るものと狩られるものの構図。それなのにベスト・フレンド。普通に考えればパラドックスである。
たまさんは「ややこしい絵」と言っていた。
右の少女はハルピュイア(ハーピー)か。だとしたら簡単には射られまい。笛を吹いているのも余裕のなせる業か。そして幾度もこの光景が繰り返されるのだろう。
なるほど好敵手の間に生まれる友情ということかもしれない。強敵と書いて「とも」と読むということか。
こういうのを深読みのし過ぎという。

『However still imperfect』
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通称棺桶ガールズ(と勝手に名付けた)。
クマさんたちが棺を開けるのが早すぎた。なので再生が追いつかなかった。あるいは完璧はありえないということか。
ゴシック趣味たっぷりだが、どことなくユーモラスなのがおもしろい。
もともとは棺桶ひとつという構成だったという。ずいぶん賑やかになった。それなのに静謐な空気が漂うという不思議な作品。
女の子の髪の色が画集とはずいぶん印象が異なる。左の子の口元を手でかざす仕種が可愛らしい。
(これは写真をパチリ、これも光が写り込んじゃってるなあ)

『Don't miss the season』
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旬を逃すな。
裸バニー、突っ込みどころ満載である。
イチゴ摘むなら服を着なさい。せめてパンツくらいは履きなさい。
こんなあられもない格好で襲われたら可哀想なのでうちで保護することにした。捕獲とも言う。って意味が全く違うじゃん。
大人気だったようである。みんなエッチだな〜。
ただのツルペタ少女の裸ではない。白のニーハイがエッチなのである。
罠にかかっているということを考えると、これはウサギの擬人化なのかもしれない。
また、ここには多くの小さな蛇が描かれている。これが何を象徴するものなのかいろいろ解釈ができそうだ。

というわけで全部で10点。

個展の度に一枚ずつでも買えればいい、なんて思っていたのだが、こんなことになってしまった。
代表作も押さえつつ、珍しいタイプの作品もあって、結果としていいコレクションになっているのではないかと思う。
いずれは何らかの形でお披露目できればと考えている。
代表作と言われるもの(かつたまさんご自身が出来に満足しているもの)を連れてきてしまった以上そうしなければならないような気がする。今回も結局人気の裸バニーを連れてきてしまったし…。
それにはやはりきちんとしたスペースで行なわなければならない。もしかしたらヴァニラ画廊の小さい方の展示室を借りるというのがいちばん現実的なのかもしれない。ま、のんびり考えてみることにしよう。
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