フルート奏者の上野由恵が上野にある上野の森美術館で「上野中央通り商店会」と「上野のれん会」の協賛を得てコンサートを開く。
これが「フルート音楽日誌」というシリーズである。
美術館の展示室で絵に囲まれてのコンサートという貴重な機会でもある。
毎回ゲストを招き、楽しい時間を過ごさせてくれる。
そして、名店「みはし」のお土産用のあんみつゲットを狙っている人も少なくないはずだ。
さて、今回のテーマは「フルートとチェンバロ 〜雅やかな響き〜」。
上野由恵:フルート
山縣万里:チェンバロ
01.作曲者不詳:グリーンスリーヴス変奏曲
02.J.S.バッハ:シチリアーノ、ポロネーズ、バディネリ
03.カルク=エラート:シャコンヌ(フルート・ソロ)
04.クライスラー:美しきロスマリン、愛の悲しみ
05.C.P.E.バッハ:ハンブルガー・ソナタ
<休憩>
06.パーセル:新しいグラウンド ホ短調(チェンバロ・ソロ)
07.ヘンデル:調子の良い鍛冶屋(チェンバロ・ソロ)
08.作曲者不詳:小鳥愛好家の楽しみ(フルート・ソロ)
・ウソ
・カナリア
・森ヒバリ
・ナイチンゲール
・スズメ
・ムクドリ
09.J.S.バッハ:フルート・ソナタ イ長調 BWV1032
<アンコール>
10.ジョプリン:ジ・エンターテイナー
11.ヘンデル:オンブラ・マイ・フ
今回も楽しいコンサートだった。
普段聴いているグリーンスリーヴスとはちょっと違うものでオープニング。
バッハの3曲は定番。
シチリーアーノは現在は偽作とされているフルート・ソナタから。
ポロネーズとバディネリは管弦楽組曲第2番から。
じつはこの2曲、大昔に発表会で吹いたことがある。
カルク=エラートのシャコンヌはいい曲だ。20世紀の作品だが調性が残っているので聴きやすい。それでいて現代的な響きも持っている。難しそうな曲でもある。
一昨年のB→Cでも演奏された曲。そのときはカルク=エーレルトと表記されていたが…。
クライスラーのメロディーはフルートにも合う。
さらにチェンバロの音色を得てヨーロッパの美しい景色が目に浮かんでくるようだった。
ハンブルガー・ソナタは明るくて楽しい。フルートの華麗な技巧が堪能できる。
オランダのロック・バンド、フォーカスに『ハンバーガー・コンチェルト』という長尺曲があったのを思い出した。
後半はチェンバロ・ソロから。
チェンバロの説明が楽しかった。
パーセルの曲は初めて聴いたが、哀愁を帯びたメロディーでいい曲だな。
『調子の良い鍛冶屋』では5つの変奏全てをストップで音色を変えてのサービスたっぷりの演奏。
楽しかった。
そしてフルート・ソロの『小鳥愛好家の楽しみ』。
これは鳥が鳴くのを手助けするための曲集なのだそうだ。口伝え(笛伝え?)で広まった曲らしい。
短いが楽しい曲ばかり。今回は抜粋版だが、全曲を聴いてみたくなった。
メシアンの『鳥のカタログ』を思い出したよ。
そしてラストはバッハのソナタ。
悲劇的なロ短調ではなく陽気なイ長調の方。
最初のフルートの音を聴いたとき、名匠オーレル・ニコレの音かと思ってしまった。
暖かみの柔らかい音だ。
彼女もまた達人の域に近づきつつあるのだなあと思う。
チェンバロとの掛け合いも絶妙。
アンコールでスコット・ジョプリンとは驚いた。
ラグタイム・ピアノをチェンバロで、というのは新鮮で、かつ違和感がなかった。
というわけで、今思い返してみても楽しいコンサートだった。
チェンバロの演奏もとてもよかったなあ。
終演後はやはり名店黒船亭のカツサンドが振る舞われた。
カツが分厚くてね。とっても美味。
そして恒例のあんみつ争奪戦。
名店「みはし」のお土産用あんみつがプレゼントされるのだ。ジャンケンで…。
で、めでたくたぬ〜が勝ち残ってゲット。とっても嬉しい。
しかし、このコンサートも今回で7回め。
ずっと続けられるのも美術館や商店会の支援があってこそ。
それも彼女の人柄によるのだろうなと思う。
ちなみに、上野の森美術館では「上野の森美術館大賞展」が開催されている。
毎回この時期なので、いつもその入選作を眺めながらのコンサートとなっている。
大きな声では言わないが日展や二科展なんかよりよっぽど見るべきものが多い。
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