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2014年04月25日23:32

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山田和樹&日本フィル@サントリーホール

期待の若手指揮者山田和樹を聴く。
実際はニールセンが聴きたくてチケットを取ったのだが。
まあ、大好きな『不滅』を評判の高い若手で聴けるという一石二鳥のコンサートということである。

以前にも書いたが、私はこのニールセンの『不滅』という曲が大好きなのだ。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1920878885&owner_id=3696995
今でこそマイナー・シンフォニーではなくなったものの、それでもコンサートのプログラムに載ることは少ない。
オーケストラは上から見るのがいいのよ、しかも今回はティンパニ・バトルが目的、というわけで二階席を手配した。手配するのが遅かったという事情もあるのだが。

01.ストラヴィンスキー:バレエ音楽『火の鳥』(全曲版)
<休憩>
02.ニールセン:交響曲第4番『不滅』

『火の鳥』ストラヴィンスキーの三大バレエの中でいちばん聴く機会が少ない。
絢爛豪華な管弦楽絵巻だが、『春の祭典』や『ペトルーシュカ』に比べると尋常でない感が弱いからだろうか。もっとも曲としてはいちばんまとまりがいいと言えるのかもしれない。
まあ、楽しく聴けた。悪くないではないか。
ケレン味なく管を鳴らす指揮者の手腕もなかなかのものだ。

『火の鳥』というとイエスを連想する人も少なくないはずだ。
ライヴのオープニングにこの曲のフィナーレを使っていたからで、『イエスソングス』という当時LP3枚組のライヴ・アルバムにも収録されている。
しかし、私はこのアルバムを好まないため特に関連付けて考えることもない。
好まない理由はドラマーがビル・ブラフォードからアラン・ホワイトに替わったためで、アラン・ホワイトを再評価している今なら楽しく聴けるかもしれない。CDはもちろん持っている。

余談はともかく、プログレッシヴ・ロックは多くのものをストラヴィンスキー(やバルトーク)からもたらされているのだな、と再認識。

さて、休憩を挟んでお目当ての『不滅』。
シベリウスと同年生まれのデンマークの作曲家が残した異型のシンフォニー。まあ、後の5番に比べれば異型度は低いのだが、楽章の区切りを失くし、さらに基本となる調を放棄したという点でやはり異型である。
第一次大戦に影響され人間の精神の気高さを描いたとされるが、暗闇から光明へという図式とはちょっと違うように思う。なのでこれはケレン味たっぷりに演奏してもらいたいところだ。スペクタクルな音響としてドライに描かれてしまうと困ってしまう。つまり前半の『火の鳥』とは正反対のアプローチが望まれるのである。
なるほど己の懐の深さを見せつけるプログラムであったか。
ならばその術中にまんまとはまってやろうではないか。

尋常ならざる冒頭からこの指揮者はタダモノではない感をたっぷり漂わせる。思わせぶりで、しかもオケを豪快に鳴らしている。牧歌的な第2部は木管が大活躍。日本フィルの管は上手い(特に首席フルートの真鍋恵子)。第三部の緊張感あるアダージョは弦の響きがいい。インキネンが振っているのかと思うような北欧的な冷たい質感の音である。そして最大の見せ場のフィナーレ。
まるでティンパニ協奏曲のような二人の奏者によるバトル。最終決戦である。しかし勝利がもたらされたとは思えないのだ。滅ぼされはしなかった、に過ぎないように思える。

戦争の無意味さを歌ったウィッシュボーン・アッシュの『Throw Down The Sword(剣を棄てろ)』という曲のこんな歌詞を思い出した。
Neither lost, neither won.
敗者も勝者もいない。まさしくそれが戦争であり、ニールセンが訴えたかったことではないのかという気がしてならない。

ニールセンの『不滅』は深い。
そしてそう思わせるような演奏だった。
ダイナミックにオケを鳴らさないことには魅力半減だが、ただそれだけでは何も伝わらないという、指揮者にとってもオケにとっても難しい曲なのだろうと思う。

なるほど、いい指揮者だ。

これから三年間かけて日本フィルとマーラーのシンフォニー全曲演奏シリーズが始まるという。
注目してみたくなった。
あと、さらに異形度を増したニールセンの最高傑作の5番もこのコンビで聴いてみたい。やってくれないかなあ。
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