モイツァ・エルトマン、一昨年の来日時「夢の中のミューズ」と言われた。
日本での初のリサイタルとなったそのときの公演(王子ホール、オペラシティ)は未だに強烈な記憶として残っている。透き通った声とそれを制御できる確かな技巧、そしてその優れた表現力。さらにステージ映えする容姿やファンに対する気さくな対応も相俟って、すっかり魅せられてしまった。
なので今回のリサイタルも楽しみにしていた。
王子ホールが先行予約で与えてくれた席は最前列のステージ向かってやや右寄り。
300席弱の小さいこのホールでは早々に完売になっていた。
モイツァ・エルトマン:ソプラノ
グザヴィエ・ドゥ・メストレ:ハープ
ピアノではなく、ハープというのが珍しい。
しかもヤロウである。
イケメンのハープ奏者として話題(らしい)。女性ファンも多い(らしい)。
01.シューマン:献呈 作品25-1
02.シューマン:蓮の花 作品25-7
03.シューマン:レクイエム 作品90-7
04.モーツァルト:すみれ K476
05.モーツァルト:夕べの想い K523
06.モーツァルト:静けさがほほえみながら K152
07.モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第15番 ハ長調 K545(ハープ・ソロ)
08.メンデルスゾーン:初すみれ 作品19a-2
09.メンデルスゾーン:ズライカ 作品34-4
10.メンデルスゾーン:月 作品86-5
11.メンデルスゾーン:歌の翼に 作品34-2
12.メンデルスゾーン:春の歌 作品47-3
<休憩>
13.R.シュトラウス:ときめく心 作品29-2
14.R.シュトラウス:サフラン 作品10-7
15.R.シュトラウス:ああ恋人よ、ぼくは今お別れしなければならない 作品21-3
16.R.シュトラウス:子守歌 作品41-1
17.R.シュトラウス:星 作品69-1
18.R.シュトラウス:明日 作品27-4
19.R.シュトラウス:セレナーデ 作品17-2
20.フォーレ:即興曲 変ニ長調 作品86(ハープ・ソロ)
21.ベッリーニ:ああ幾度か(オペラ『カプレーティとモンテッキ』より)
22.プッチーニ:私のいとしいお父様(オペラ『ジャンニ・スキッキ』より)
<アンコール>
23.R.シュトラウス:ひどい天気 作品69-5
24.シューベルト:万霊節の連祷
シューマン、モーツァルト、メンデルスゾーンにシュトラウス。
この小さなホールで聴くに相応しいリート・プログラム。
涼やかな声。細部にまで神経の行き届いた歌唱。表情豊かに、手の指先まで使って物語を演じる。
モイツァの歌は声の美しさだけで魅了するものではない。そのメロディーや歌詞に潜む細やかな感情を掬い取るような表現に長けている。話しかけるような語り口で、その親しみやすさとは裏腹の奥深い世界。心の襞を覗かせるようなその歌唱は戦慄的でさえある。
やはり凄い歌手である。
そしてモイツァの歌にはどことなく狂気を孕んだ危うさがある。
また、ハープの幽玄な響きと彼女の声がよく合うのだ。
そのハープのメストレ氏。
どうもハーピストは女性という誤った先入観があるせいか違和感あるだろうと思っていたのだが、そんなことはなかった。さすがにその演奏には耳をそばだたせるものがある。歌伴はもちろん、ソロの曲も楽しめた。
確かにイケメンである。
プログラム最後のアリア2曲はファン・サービスかな。
ジュリエットのアリア、これは前回も素晴らしい歌を聴かせてくれたのだが、今回も心を打つ名唱だった。
モイツァが歌うと『私のいとしいお父様』が名曲に聞こえる。
終演後は疲れも見せずにサイン会。
モイツァ自身このサイン会を楽しみにしているらしいのだ。
さて、次回は30日にオペラシティ。今回の最終公演である。
プログラムは今日とかなり異なるので、これまた楽しみだ。
一昨年のリサイタルについてはこちら。。。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1850738326&owner_id=3696995
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1851420495&owner_id=3696995
今日はクローク嬢が元気にお仕事をしていた。
少し長い時間話すことができたよ。
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