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2013年12月29日23:36

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シニフィアン・シニフィエ@公園通りクラシックス

今日がコンサートやライヴの締め。
一年の締めくくりは作曲家にしてピアニストshezoo主宰のシニフィアン・シニフィエというユニット。
もうひとつのユニットのTriniteとメンバーがかぶるが、Triniteがshezooのオリジナルを演奏するのに対し、こちらは現代音楽のカバーを演奏する。

シニフィアン・シニフィエというのはフランス語。
シニフィアンとは言葉の持つ文字や音声のことを言い、シニフィエとはその言葉の意味や概念のことを言う。簡単に言えば、記号表現と記号内容、ということになる。要は表裏一体のものとも言える。

「シニフィアンとしての楽譜に書かれた音符を再現しながら、その曲をもっと自由に羽ばたかせるシニフィエへ」

ということなのだそうだ。つまり、単なる楽譜の再現ではなく、即興を交えながらの再構成ということになるようだ。なるほど。。。

shezoo:ピアノ(pf)
壷井彰久:ヴァイオリン(vn)
小森慶子:クラリネット(cl)
大石俊太郎:ソプラノ・サックス(ss)、テナー・サックス(ts)、フルート(fl)
水谷浩章:コントラバス(b)
ユカポン:パーカッション(per)

01.ジョン・ケージ:ドリーム(pf、vn、cl、ss、b、per)
02.バルトーク・ベラ:ミクロコスモス 第148番(pf、vn、cl、ts、b、per)
03.J.S.バッハ:マタイ受難曲より(cl、b)
04.ジェルジュ・リゲティ:ムジカ・リチェルカータより、第11番(pf、vn、cl、fl、b、per)
<休憩>
05.shezoo:神々の骨より、Dies irae(pf、vn、cl、ts、b、per)
06.ジェルジュ・リゲティ:ムジカ・リチェルカータより、第7番(pf、vn、cl、ts、b、per)
07.J.S.バッハ:マタイ受難曲より(pf、vn、ts)
08.アルヴォ・ペルト:タブラ・ラサより、ルーダス(pf、vn、cl、ss、b、per)
<アンコール>
09.アルヴォ・ペルト:鏡の中の鏡(pf、vn、cl、ss、b、per)

現代音楽を好まない人は多い。
狭義の現代音楽ではなく、20世紀以降の音楽と言い換えた方が適切なのかもしれない。
無調音楽は確かに聴きやすいとは言えない。
しかし、聴き続けているとなんとなくその聴き方がわかるというか、抵抗なくすんなり耳に入ってくるようになる。慣れなのだと思う。
初めは臭いと思っていたパクチーも食べ続けていると抵抗感がなくなり、ちょっと好きかもと思えるようになるのと同じようなものではないだろうか。
メロディーを追うのではなく、今鳴っている音そのものに耳を凝らすということに慣れてくれば、意外におもしろい音世界が展開されていることに気付く。音楽のイディオムが変わっているなら、聴き方を変えるというのは至極当然のような気もしてくる。

現代音楽をそのままの編成ではなく「カバー」をするというのは非常にユニークなのではないか。
原曲を知っていればより楽しく聴けるだろうが、知らなくてもそこから原曲に戻るという楽しみもある。
虚心で聴く。ただ今ここで鳴っている音にのみ耳を澄ます。鳴っている全ての音に優先順位を付けずにそのまま情報化する。
ほら、不思議な響きが楽しくなってきた。

こういう音楽をライヴハウスというリラックスした空間でやってくれるのが嬉しい。
ワイルドターキーを片手に現代音楽なんてオツではないか。

そして、そこにジャズっぽいグルーヴを感じさせるのがこのユニットの特徴なのかもしれない。
スクエアだと思っていた現代音楽が意外にグルーヴィーに変身している。
これってモード・ジャズからそんなに遠い世界ではないのかもしれない。フリー・ジャズならもう少し近い。
ほらほら、もっと楽しくなってきた。

というわけで、あっと言う間にライヴ終了。。。
もっと聴いていたい。そう思わせてくれる音楽である。
ヒーリング効果高し。

ストーリーを語らせるTrinite。
音そのものに語らせるシニフィアン・シニフィエ。
これもまた表裏一体というものなのかもしれない。
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