今夜は紀伊國屋書店新宿本店にて辻村深月のサイン会。
昨年『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞した。最新作は『島はぼくらと』で、今回はその刊行記念のサイン会。
彼女の作品はほとんど読んでいる。
非常に満足度の高い作品を書く作家である。
初期の講談社ノベルズに書いていたころは、大仕掛けと意外性に富んだ青春ミステリーのような体裁を取っていたが、最近はもはやミステリーの枠を大きく踏み出してしまっているものも多い。
直木賞候補にもなった『オーダーメイド殺人クラブ』などは閉塞感たっぷりの歪んだ少女小説とも言うべきもので、そこにはミステリー的な要素は希薄である。
映画にもなった『ツナグ』のように人の心を震わせるような物語を紡ぐのも上手い。
作者にとってミステリーかどうかなんてものはもうどうでもいいことなのかもしれない。
それはそれでいいと思うし、そう思わせるだけのグレードの作品を書いている。
とはいえ、たまには仕掛けが大きく大どんでん返しが待っているような新作も読んでみたいと思うのだ。
サイン会前に『島はぼくらと』を読んでおこうと思ったのだが、いろいろバタバタしていて、ページを開くことすらできなかった…。
なので感想は言えず仕舞い。
それでもいつも新作を心待ちにしていることや、大仕掛けのミステリーも読みたいということは伝えることができた。
お気に入りの作品として、前回は咄嗟に『名前探しの放課後』と答えたが、今回は『オーダーメイド殺人クラブ』と答えた。「あの中二病みたいな女の子をわかっていただけて嬉しい」と喜んでもらえたようだ。
上田風子の表紙もいい。無理を言って表紙に使わせてもらったのだそうだ。
昨年も感じたが丁寧で真摯に接する人である。偉ぶったところの全くない人だ。
今年の綿矢りさにもそれを感じた。
こういうことがあると、より肩入れしてしまう。
というわけで、辻村深月と綿矢りさは特別な作家になったのだ。
さてと、落ち着いたら『島はぼくらと』を読もう。
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