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2012年06月10日23:27

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モイツァ・エルトマン@オペラシティ

彗星のように現れたソプラノ、モイツァ・エルトマン第二弾はオペラシティ。

たぬ〜の捻挫はいくらか良くなったようだが、早め早めの行動を心がける。歩くのがゆっくりだし、できるだけ階段を回避したいし、中央線は午前中止まっていたし。。。

このリサイタル、早々に手配していた王子ホールとは全くプログラムが違うということを知って、ついついポチッとしてしまったのだ。ちょっと遅めだったので席は後ろのほう。
前回は最前列ほぼ中央で、なんだか緊張してしまったが、今日はのんびり聴こうと思っていた。
しかし、のんびりなんてできなかったよ。。。

前半(第1部)はメンデルスゾーンとモーツァルトの歌曲、後半(第2部)はオペラ・アリア集、というプログラム。ピアノは前回と同じゲロルト・フーバー。

01.メンデルスゾーン:初すみれ Op.19a-2
02.メンデルスゾーン:花束 Op.47-5
03.メンデルスゾーン:ふたつの心が離れる時 Op.99-5
04.メンデルスゾーン:ズライカ Op.34-4
05.メンデルスゾーン:あいさつ Op.19a-5
06.メンデルスゾーン:歌の翼に Op.34-2
07.メンデルスゾーン:新しい恋 Op.19a-4
08.モーツァルト:ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時 K520
09.モーツァルト:すみれ K476
10.モーツァルト:夕べの想い(ラウラに寄せる夕べの想い) K523
11.モーツァルト:静けさがほほえみながら K152
12.モーツァルト:寂しい森の中で K308
13.モーツァルト:魔法使い(魔術師) K472
<休憩>
14.モーツァルト:私の悲惨なこの運命はいつ終わるのだろう?(歌劇『イドメネオ』より)
15.モーツァルト:虎よ! 爪を研げ(歌劇『ツァイーデ』より)
16.プッチーニ:私が街を歩くと(ムゼッタのワルツ)(歌劇『ラ・ボーエム』より)
17.ベッリーニ:こうして私は晴れの衣装を着せられ 〜 ああ幾たびか
  (歌劇『カプレーティとモンテッキ』より)
18.ドニゼッテイ:あの目に騎士は 〜 わたしも魔の力を知る(歌劇『ドン・パスクワーレ』より)
<アンコール>
19.プッチーニ:私のお父さん(歌劇『ジャンニ・スキッキ』より)
20.ヨハン・シュトラウス二世:公爵さま、あなたのようなお方は(喜歌劇『こうもり』より)
21.レハール:私の唇は熱いキスをする(喜歌劇『ジュディッタ』より)

澄んだ美声が大ホール全体に響き渡る。
リサイタルには大きすぎるホールだが、全く問題なかった。声量に不足はないし、少し遠くからでも微妙なニュアンスを聴き取れる。
歌手としてのポテンシャルの高さだろう。

前半の歌曲は先日の王子ホールでの公演と同じように、じっくりと丁寧に聴かせる歌だった。『ふたつの心が離れる時』の切なさ、『歌の翼に』の憧れに満ちた伸びやかさ、彼女は想いを伝えるのに長けている。
モーツァルトも好演。清楚な『すみれ』、ユーモラスな『魔法使い』、どの曲も巧みに歌い分ける。
ここまでは前回のリサイタルと同じ印象。情感の微妙な襞を伝える優れたリート歌手という印象だ。

その印象は間違っていない。

しかし、後半のオペラ・アリア集はさらにすごかった。技巧を凝らしたアリアをケレン味なく、しかも情感豊かに歌い上げる。
声も魅惑的だし、技巧も素晴らしい。しかし、それだけではない。仕種や表情も含めて歌なのだ。それゆえ彼女の想いが強く伝わってくる。これこそがまさしく「Somethin' Else」なのだと思う。人の心を打つというのはこういうことなのだ。
鳥肌立ちまくりだよ。

モーツァルト2曲がクライマックスだと思っていた。『私の悲惨なこの運命はいつ終わるのだろう?』の後半の大好きなアリアを彼女は訣別の悲しい思いを込めて歌ってくれた。『虎よ! 爪を研げ』では凛とした力強さを保ちながら、その裏にある儚さをも感じさせるという至芸だった。
しかし、クライマックスはここではなかったのだ。ジュリエットの悲しい想いを歌う『こうして私は晴れの衣装を着せられ 〜 ああ幾たびか』の切なさ…。これに心打たれた人は多いはずだ。拍手が鳴りやまなかった。

ゲロルト・フーバーのピアノも素晴らしい。
後半は相当熱が入っていたようだ。ときおり足を踏み鳴らすほどの熱演。

素晴らしかったよ。
とにかく、掛け値なしに。

アンコールもアリア集を継続。
『私のお父さん』ってこんなにいい曲なんだな、と感じた。
あとの2曲はコケティッシュな魅力大爆発。

王子ホールとオペラシティ、結果として両方で1セットのリサイタルだったのだなと思う。
両方聴いて大正解。
終わってしまったんだなあ、とちょっこし淋しい。
CDしか聴いたことのない状況で2公演取ってしまうのはバクチだったかもしれないと不安でもあった。しかし、その不安は杞憂だった。もしどちらかしか取っていなければ後悔したに違いない。
早いうちにまた来てほしいと思う。
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