mixiユーザー(id:3696995)

2012年04月04日21:55

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この作家はすごい

最近、辻村深月(つじむら・みづき)にはまっている。
ミステリー作家である。
NHKドラマ『本日は大安なり』の原作者として名前を覚えている人もいると思う。

一風変わったミステリーを書く人だ。
殺人といった事件が起こらず、まるで青春小説のようなものも少なくない。
それでも謎はきちんとある。意外な結末、どんでん返し、巧みに張られた伏線、などミステリーを構成する要素はきっちり含まれているのだ。

ファンを名乗るほど多くの作品を読んでいるわけではないが、読んだものは全ておもしろかった。
とりあえず講談社文庫から刊行されている長編は全て読んだ。作品をまたいで登場人物がリンクしているので、できれば刊行順に読んだ方がいいようだ。そうでなくても問題はないが、そうした方がちょっとお得に楽しめる。
『冷たい校舎の時は止まる』
『子どもたちは夜と遊ぶ』
『凍りのくじら』
『ぼくのメジャースプーン』
『スロウハイツの神様』
『名前探しの放課後』

出てくる連中はみんないいヤツなんだよね。
だから登場人物全てに感情移入できてしまう。
もちろん、それぞれ闇の部分を抱えているわけだが、みんなそうしたものとなんとか折り合いをつけようとして悩みもがく。その描き方が上手い。
たとえば、『凍りのくじら』の理帆子。人をバカにしているような小生意気なキャラに「これは入れ込むのは難しいなあ」と思う。しかし読み進めていくと、「そんなことしちゃダメだろ、バカ」とか「おまえなにやってんの」とかいろいろ思うにつれ、すっかり理帆子を応援している自分に気付く。まんまと作者の術中にはまったわけだが、それはそれで気分がいい。

この人は人間を描きたいのだろうなあと思う
謎はそのための手段。でもきっちり余りの出ない割り算にしてくれる。
ミステリーとして完成度が高い。
だから読後感がいいのだ。
物語としては『スロウハイツの神様』がいい。やられた感は『名前探しの放課後』が強烈。後者は題名もカッコいいね。
この「やられた」という感覚はミステリー独特のものである。伏線には気付いていたのに、見破ることができなかった。つまり作者に負けたわけなのだが、それが気持ちいいのだ。読み終わった後、あれがこうつながるのか、と張られた伏線を振り返るのも楽しいのだ。
よって、本来ミステリーは二度読みするのが基本というのが私の持論である。もっとも、最近は一度で済ましてしまうのだが。
辻村深月はこの伏線の張り方が巧みだ。伏線であることを気付かせるように張っている。それなのに見事に読者の意表をつく結末を用意し、もちろん伏線も綺麗に回収している。
しかもキャラが生きている。繊細な心理描写に長けている。
ホロッとするようなエピソードもちりばめられ、結果としてほとんどがハートウォーミングな物語になっている。

未読のものもまだいっぱいあるので、しばらくは楽しめる。

ところで、村上春樹の『1Q84』が3月から文庫で刊行され始めた。5月に全巻刊行されてから一気読みしようと考えている。その前に未読のものも読んでおこうかなとも思う。
さらに7月からは小野不由美の十二国記シリーズが出版社を講談社から新潮社に替え、既刊の新装版と新作が順次刊行されるという。新作が刊行されるというのは何年ぶりのことなのだろうか? 当然全巻買い直しであろう。

というわけで、試験勉強をするヒマがない。。。
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