女声5声によるアカペラ・グループ、アウラ。
デビュー以来屋台骨を支えてきたアルトの星野典子が脱退し、新たに内野明香(うちの・さやか)が加入して迎えたクリスマス・シーズン。アウラ史上初のメンバーチェンジが吉と出るか凶と出るか、われわれとしても期待と不安の入り混じる新生アウラだった。
もともとメゾの声域でありながら、コントラルトのような低音までもカバーする星野典子はまさしくアウラの屋台骨だった。ただでさえ日本では優れたアルトが少ない実情では、星野典子の代役がそうそう簡単に見つかるわけもない。
とにもかくにもアウラは転換点を迎えたわけである。
23日は名古屋の宗次ホール。25日は東京のハクジュ・ホール。どちらもアウラのホームフィールドである。
プログラムは共通で、以下の通り。特別に表記のないものはキャロル。
01.神の御子は今宵しも
02.あら野のはてに
03.ガウデーテ
04.ひいらぎ飾ろう
05.御使いうたいて〜ニュー・イヤーズ・ギフト
06.フム・フム・フム
07.まきびと羊を
08.アメイジング・グレイス(伝承歌)
<休憩>
09.もろびとこぞりて(メイソン)
10.ガブリエルズ・メッセージ
11.鳥の歌(カタルーニャ民謡)
12.アイ・ワンダー(伝承歌)
13.ウィー・ウィッシュ・ユー・ア・メリー・クリスマス
14.リトル・ドラマー・ボーイ(シメネオ、オノレイティ&デイヴィス)
15.花のワルツ(チャイコフスキー)
16.ハッピー・クリスマス(ジョン・レノン&ヨーコ・オノ)
<アンコール>
17.戦場のメリー・クリスマス(坂本龍一)
内野明香の緊張ぶりは客席から見ても感じられた。無理もあるまい。コーラスでのキャリアがあるとはいえ、ひとつのパートを一人で任されることはまれだったろう。楽しんで歌う余裕などなかったと思う。
声質は優しく温かみがあり、他のメンバーとの声の融合もいいようだ。メゾということもあって、ボトムを支えるというよりは、全体をコーディネートするといった役割になるのかもしれない。
たどたどしいMCも含めてキャラ的にも好印象だ。
星野典子の代わりは誰にもできない。内野明香としての個性でアウラに新風を吹き込んで欲しいと思う。
まずは新生アウラが無事スタートできたことを喜びたい。
アウラのクリスマス・コンサートは祝祭気分ばかりではない。
もの哀しい曲を織り交ぜることで祈りにも似た感情を呼び起こす。それが『鳥の歌』であり『アイ・ワンダー』である。『鳥の歌』の佐藤悦子のソロはまさに絶唱。
驚いたのはアウラらしからぬ(?)動きのあるステージだったこと。
『ガウデーテ』では輪になって踊り、『フム・フム・フム』では小粋な演出を施していた。
AKBを目指したわけでは全くないだろうが、ほかにも細かい演出がいくつもあった。
聞いたところによると、アウラ自身が全てを考えたのだという。クリスマスということでプロデューサーも認めたらしい。
音楽の喜びが伝わってくるいいステージだったと思う。動くことで若干の音のブレがあったとしても、だ。ライヴならではと言えるだろう。
菊地薫音の澄まし顔と畠山真央の粋な立ち姿がいいね。
『御使いうたいて〜ニュー・イヤーズ・ギフト』終盤のユニゾンは何度聴いてもゾクゾクするほど美しい。これも一種のカタルシスだな。
アウラの新機軸としては、クラシック以外にも選曲の幅を広げたということもあるだろう。
『リトル・ドラマー・ボーイ』と『ハッピー・クリスマス』とアンコールの『戦場のメリー・クリスマス』がそうなのだが、クラシックとしてのスキームにうまく収まっていて、しかも斬新さもあって、こういうのなら悪くないと思う。
結果としてアウラの今後に期待を持たせるコンサートになったと言える。
ちょっと気になったのは原嶋絵美がかっ飛びすぎて、全体のバランスを崩す場面が見受けられたことか。硬質な声ゆえにきつく響くこともある。今後の課題かもしれない。まあ、彼女のかっ飛んだ歌いっぷりは痛快でもあるのだが。
さて、ハクジュでは星野典子が来ていた。リハーサルにも立ち会っていたそうだ。
元気そうな様子に安心する。たぬ〜はハグしていたよ。。。
「典ちゃんはいつでもアウラの典ちゃんなんだから」たぬ〜がそう言っていた。確かにそうだと思う。
またいつか何らかの形で彼女の歌が聴けることを楽しみにしていよう。
思えばアウラを聴き続けて7年半近くになる。早いものだ。
なにはともあれ、新生アウラが順調なスタートを切ったことを今は喜びたい。
真央ちゃん、絵美ちゃん、りねちゃん、悦ちゃん、サーヤ、来年も楽しみにしているよ。
そして典っぺ、また元気な顔を見せてくれ。
ログインしてコメントを確認・投稿する