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2011年06月22日23:08

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鍵盤異種格闘技戦@ヤマハホール

鍵盤異種格闘技戦。
そんな感じではないかと思っていた。

銀座のヤマハ・ホールにて渡辺睦樹&三浦友理枝ジョイント・コンサート。
渡辺睦樹氏はエレクトーン奏者。エレクトーンでクラシックを演奏する第一人者とのこと。

このコンサートのことはずいぶん前から知っていたのだが、当初は行くつもりではなかった。
しかし、行けるところでやるのだったら、やっぱり友理枝ちゃん聴いておきたいよな、ということでチケットを取ってしまったのだ。

よくよく考えてみたら、めったに聴ける組み合わせではないのでかなり貴重だったかも。

エレクトーンというと、システマティックなシンセサイザーくらいのイメージしかなかった。二段鍵盤で黒と白のスイッチがたくさんあって、レバーがいっぱいあって、さらに足鍵盤があって…。音はアナログ・シンセ的でリアルな楽器の音とは違う…。
もっとも、ハイエンドな70年代中盤のGX-1というモデルはキース・エマーソンやジョン・ポール・ジョーンズが使用したことで知られている。
デジタル時代になってずいぶん様変わりしたのは知っているが、完全に一人オーケストラ状態…。音もサンプリングでリアルな楽器の音が出る。油断していると本当にオーケストラだよ。もっとも、やはり音の薄さは否めないし、やはりデジタル音だよなという気はする。
ま、エレクトーンのポテンシャルというのがわかっただけでも行った価値があるというものだ。

01.マスカーニ:歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』より間奏曲
02.グリーク:組曲『ホルベアの時代から』より前奏曲
03.シューマン:トロイメライ
04.ドビュッシー:沈める寺
05.渡辺睦樹:Intermezzo−間想曲−
06.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ
07.シューベルト:アヴェ・マリア
<休憩>
08.チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調
<アンコール>
09.チャイコフスキー:『四季』より『6月 舟歌』(ピアノ・ソロ)
10.バッハ/グノー:アヴェ・マリア

前半はエレクトーン・ソロ。
聴かせる演奏だったと思う。
ただ、ストリングス系の音が中心になってしまうのはクラシックをやろうとすると避けられない宿命なのか。
エレクトーン(つまり、シンセ)でしか出せない音を駆使してもいいのではないかという気がする。
だから、『沈める寺』はおもしろかった。オーケストラでは不可能な音とアレンジだったと思う。
渡辺さんのオリジナルも後半がマーラー的な泣きのストリングスたっぷりで良かったと思う。
渡辺さんご自身はとても実直な方という印象で、その演奏も正面からクラシックに向きあった真摯なものだというふうに思った。

メインはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。名曲中の名曲。冒頭のホルンの斉奏による印象的なフレーズがそのあと一切出てこないという不思議な作品でもある。
友理枝ちゃんのピアノ・パートはそのまま、渡辺氏のエレクトーンがオーケストラ・パートを全て担うという役割分担。
つまり、友理枝ちゃんは普通にピアノを弾けばいいのだが、やはり勝手は違うのだろうな。
解釈云々は置いておいて、楽しめたよ。
勝手が違うとはいえ、友理枝ちゃんのピアノもなかなかのものだったと思う。特に第3楽章がいいようだ。ああいった舞曲系の曲を上手く弾くね。
なにはともあれ、オーケストラ・スコアをエレクトーンに置き換えたことに関しては素直に敬意を表したい。見事な演奏だったと思う。
ただ、逆にエレクトーンの限界を感じさせてしまったという気がしないでもない。
やはり、先にも述べたようにエレクトーンならではの音色を使うという方向性がいいのではないかと思う。
もっとも、今回は渡辺さんにとってもチャレンジャブルだったのだろう。オーケストラの再現、確かに見事だったと思う。

あはは、なんだかんだ言って楽しんでしまった。

で、友理枝ちゃんは8月に読売日本響をバックにこの曲を弾く。

あと、一言書いておくと、アンコールの『舟歌』良かったなあ。メロディーを歌わせるのが上手い。哀しげなメロディーが引き立っていた。『舟歌』は普通6/8か9/8といった拍子なのだが、この曲は珍しく4/4である。ただ揺らめくような雰囲気を醸し出していたと思う。
やっぱり彼女はすごいよ。

ちなみに、友理枝ちゃんは一昨日誕生日を迎えた。
デビュー当時「美少女のよう」と言われた彼女も30歳である。まだまだ若いことには変わりないが、これからますます素敵な音楽を届けてくれるだろう。
そして、あっと驚くような選曲で楽しませてくれるに違いない。

「モニターでバッチリ見えてましたよ」と笑顔で言われてしまった…。
最近友理枝ちゃんはくだけてきているのだ。
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