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2011年01月30日21:04

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東京フィル(with 川久保賜紀、遠藤真理&三浦友理枝)@オペラシティ

今日のコンサートが三浦友理枝嬢のHPにアップされたのは、確か一昨年の秋くらいだったと思う。
おっ、おもしろいのをやるな、と思ってよく見てみたら、再来年のことだった。なんだ、ずいぶん先の話じゃないか、と思っていたのだが、その日が来てしまった。
早いものである。

オペラシティでの東京フィルによる「午後のコンサート」と題されたもの。昨日は別の名称で文京シビックで開催されている。
例のトリオがそっくりそのままソリストになるのだ。
そう、メインはベートーヴェンのトリプル・コンチェルト。正しくは、ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲。
これは聴かないわけにはいかないだろう。おまけに、ミューズ・トリオなんていうふうに紹介されているぞ。

円光寺雅彦(指揮)&東京フィル
川久保賜紀(vn)、遠藤真理(vc)、三浦友理枝(pf)

プログラムは以下の通り。

01.モンティ:チャルダーシュ(トリオ版)
02.ベートーヴェン:ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 ハ長調
  (独奏:川久保賜紀、遠藤真理、三浦友理枝)
<休憩>
03.スッペ:喜歌劇『軽騎兵』序曲
04.サン=サーンス:白鳥(独奏:遠藤真理)
05.ラヴェル:ツィガーヌ(独奏:川久保賜紀)
06.ラヴェル:ボレロ
<アンコール>
07.ヨハン・シュトラウス(父):ラデツキー行進曲

トリプル・コンチェルト以外は休日の午後らしく馴染み深い名曲ばかり。ツィガーヌはそうでもないか…。

オープニングはトリオ編成のチャルダーシュ。挨拶代わりの1曲ということか。

さて、トリプル・コンチェルトだが、ベートーヴェンをもってしてもソロ楽器3つというのはもてあましたというのが通説。駄作とまでは言わないが、傑作とも言われない。
しかし、予習のためにこのところ聴き込んでいて、この世評が間違っていることを知った。傑作とは言えないかもしれないが、快作だと思う。各ソロ・パートはどれもでしゃばることなく、しかも目立たぬこともなく、気を遣って書かれているなという印象だ。メロディーは親しみやすく、ハ長調という調性もあって華やいだ雰囲気にも事欠かない。英雄交響曲と同じ頃の曲だが、こちらはウィーン古典派の香りが色濃く表れている。
おそらく、これは優れた奏者を三人揃えることが難しいゆえに、名演となるチャンスが少なかったのではないかと思う。先に述べたとおり、ソロ・パートは神経質なくらいに均等にバランスが取られている。つまりソリスト三人のバランスが崩れると、演奏がまとまらないのだろう。そういう点ではひどく厄介な曲ということなのかもしれない。
となると、トリオをそのままソリストにしてしまおうというアイデアはまさに慧眼。
考えれば考えるほど、彼女たちほどこの曲に相応しいソリストはいないのではないかという気がしてきた。
期待に違わず、演奏も素敵なものだった。彼女たちの演奏は見ているだけでも飽きないのだが、やはり腕は確かだよなと思う。個々の腕だけではなく、三人揃ったがゆえの相乗効果というものもある。ときおり笑顔を見せつつ、リラックスしたような演奏だった。さすがだよ、彼女たちは。

こういうコンサートは演奏云々というより、愉しければOKというのがいいね。
それにしてはトリプル・コンチェルトはマニアックなプログラミングだと思うが、結果としていい選曲だったように思う。彼女たちがいたからこそ成立した企画なんだろうな。

で、ちょっとしたトークの後に後半戦。
意外にライヴであまり聴いたことがない『軽騎兵』序曲。いわゆる通俗名曲というやつだ。改めて聴くと、結構カッコいいところもあるね。

『白鳥』も今さらの感もあるが、『動物の謝肉祭』に収められた原曲通りのオーケストラ伴奏というのは、やはり聴く機会が少ないかもしれない。遠藤真理嬢のチェロは暖かな音色で歌いまくり。ハープのオブリガートがいいね。

ラヴェルの『ツィガーヌ』もオーケストラ伴奏で聴く機会は少ないかも。原曲はピアノ伴奏。
どうなのだろう、教会旋法っぽい音使いか? 不思議な雰囲気の曲である。
ヴァイオリンのソロ・パートは超絶技巧である。川久保賜紀嬢は繊細な美音で聴かせる。フラジョレットの美しさも特筆すべき。それにしても、立ち姿がカッコいい。

最後はラヴェルの『ボレロ』。オーケストラ泣かせ(?)の曲。
これは無条件で愉しいね。ラヴェルは天才だよ。さすが、オーケストラの魔術師。

円光寺雅彦氏の指揮ぶりは全体を通して堅実といった印象。こういうプログラムでは大切なアプローチかもしれない。

アンコールはラデツキー・マーチ。手拍子しながらニュー・イヤー・コンサートみたいだぞ。まだ1月だからそれもアリか。トリオのお嬢様方も出てきて手拍子で参加。いいクロージングだ。

難しいことを考えなくてもいいコンサートも悪くないな。
日曜のマチネー、エチケットのなっていない客が多いのは困ったものだが…。
あと、サイン会がなかったのが残念だったな。

しかし、プログラムでは完全にミューズ・トリオという言われ方をしてしまっている。まあ、そう言いたくなるのはわからないでもないが…。確かに見栄えはいいよな。コンチェルトは華やかだったし。何よりも腕が確かなのがいちばんなんだけど。
夏には三人がそれぞれソリストとして登場し、コンチェルトを3曲やるというコンサートが予定されている。
お盆時期ということもあるのか、いつもはあまり人気のないシリーズらしいが、今回は即日完売に近い状況だったようだ。思っている以上に三人は人気あるのか? 私が知らないだけなのか?
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