冬晴れ(ただし、風強し)の土曜日。
今日は恵比寿ガーデンホールにて村治佳織嬢のコンサート。
昨年のこの時期の『Portraits』アルバム収録全曲演奏会に続き、今回も『Soleil(Portraits2)』アルバム収録全曲演奏会。アルバム全曲が聴けるのはこのコンサートだけ、という触れ込みである。昨日と今日の2days。昨年はアウラの前日だったが、今年は翌日。
前回もそうだったが、ホントにアルバム収録順。
01.G.ハリスン:ヒア・カムズ・ザ・サン(G.セルシェル編)
02.G.ビゼー:ギターのためのカルメン組曲(佐藤弘和編)
03.J.ファーラー:そよ風の誘惑(佐藤弘和編)
04.R.ディアンス:フォーコ
05.L.ボンファ:オルフェのサンバ(佐藤弘和編)
06.R.ロジャース:サウンド・オブ・ミュージック(L.アルメイダ編)
07.R.オサリヴァン:アローン・アゲイン(佐藤弘和編)
08.A.バリオス:大聖堂
<休憩>
09.K.ジャレット:ケルン1975年1月24日パート��c(M.バルエコ:トランスクリプション)
10.L.ボンファ:ルーゼズ・ド・リオ(佐藤弘和編)
11.A.ピアソンズ:エル・ディア・アンテス(佐藤弘和編、with沖仁)
12.F.ショパン:雨だれ(F.タレガ編)
13.M.ハムリッシュ:追憶(佐藤弘和編)
14.坂本龍一:エナジー・フロー(佐藤弘和編)
15.E.クラプトン:ティアーズ・イン・ヘヴン(佐藤弘和編)
<アンコール>
16.R.ディアンス:タンゴ・アン・スカイ(with沖仁)
17.坂本龍一:戦場のメリークリスマス(佐藤弘和編)
14〜17は前作『Portraits』収録曲である。
ちなみに、04の前に05を演奏してしまうというハプニング。あれ? と思ってプログラムを見たら、やはり間違いだった。というわけで、再度05を演奏。なんか得をした気分?
今さら改めて言うのもなんだが、彼女のギターはいいね。とにかく音が綺麗だ。音に乗る情報量が多いというか、やはり「somethin' else」ということなのだろう。
彼女にかかるとクラシックもポピュラーも関係ない。音楽にジャンルなんてないんだよ、そう言っているかのようだ。
とはいえ、やはりバリオスの『大聖堂』がいちばんの聴きものだったと思う。壮麗な音の伽藍。曲がいいのはもちろんだが、エモーショナルな演奏は最高だ。
『カルメン』も楽しい。『カルメン』のたくさんの名旋律がこれでもかと繰り出される編曲がいい。ケレン味のない演奏で爽快。これを聴くとビゼーはとんでもないメロディーメイカーだったのだなと思わされる。夭折が惜しまれる。
CDで聴いていて「あれ?」と思ったのだが、やはりそうだった。
『サウンド・オブ・ミュージック』の終盤に見せたのは、なんとサザナミ奏法ではないか!
サザナミ奏法とは、弦を弾く(はじく)のではなく擦ることで、さざ波のようなトレモロを奏でることを言う。この独特の奏法はジャズ・ギタリストの宮野弘紀氏の考案とされている。宮野氏の奏法とは異なるが、サザナミ・サウンドであったことは間違いない。
11と16には先ごろフラメンコ・ギター・コンクールで優勝を果たした沖仁氏をゲストに招くというサプライズ。このデュオはなかなかの聴きものだった。さすが優勝者である。『タンゴ・アン・スカイ』は大好きな曲だけに嬉しい。沖氏による途中の即興パートも短いながらも素晴らしかった。
全ての曲に触れるのはやめておくが、素敵なコンサートだった。
彼女の人となりが表れたコンサートだったと思う。なんというか、彼女は昔ながらの奥床しさを持った女性だと思う。言葉の使い方も綺麗だしね。
ただ、あそこはクラシック専門のホールではないから、音響はあまり良くないし、スタッフが格落ちな感は否めない。
さて、また来年の3月3日に彼女のギターを聴く。
マニアックなプログラムで評判の即日完売の「transit」シリーズである。今回王子ホールはいい席を割り振ってくれなかったが、まあよしとしよう。知らない曲との出会いが楽しみである。
今回みたいなリラックスしたコンサートもいいけどね。
<< 追記 >>
プログラム最後の『ティアーズ・イン・ヘヴン』はクラプトンが亡き息子への思いのこもった曲。ある種のレクイエムということができよう。
偶然とはいえ、小さなレディが天国に赴いた状況でこの曲かよ、と思ってしまう。聴いていて彼女の笑顔を思い出してしまった。。。勝手に彼女への追悼の曲と思うことにした。村治佳織さんからの素敵なプレゼントだった。
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