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2010年10月13日22:12

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往復書簡

今いちばん新刊が待ち遠しい作家、湊かなえの最新作が先ごろ出版された。
読みかけのものがあったので、読み始めるのが遅くなったが、読み出したら一気である。

『往復書簡』幻冬舎刊 1400円+税

本としては6冊目になるのだろうか。前作『夜行観覧車』から結構早いなという印象だ。
タイトル通り、手紙のやり取りで綴った中篇3作からなる。
いわゆる書簡体小説というやつだ。
高校の同級生の結婚式に出席した女性同士の手紙、定年退職した小学校時代の恩師と現在教職に就いている青年との手紙、中学の同級生で15年間付き合っている恋人同士の手紙。
それぞれ手紙のやり取りの中で過去に起こった「ある事件」が明らかになっていくというもの。3篇はいずれも独立していて、関連性は特にないと思われる。
ネタバレになるので細かいことには触れられないが、大小いろいろなどんでん返しが仕掛けられているのは従来の彼女の小説どおりである。
大がかりで派手な事件を描くわけではないが、それだけにリアルだとも言える。
ミステリーとは言っても、謎を書くのが目的ではなく、謎は人間を描くための手段なのだろう。上手い作家だと思う。

少女が同級生と資材置場に閉じ込められるというエピソードでは、同級生の女の子と極寒の体育倉庫に閉じ込められたという事件を思い出した。もっとも、こちらは大きな事件にはならなかったのだが…。小学生が6時間近く閉じ込められていたのだから十分事件と言えるとは思うが、本人たちは結構あっけらかんとしていて、解放されたときも元気だったな。。。

おっと、話がそれた。。。

『告白』『少女』『贖罪』『Nのために』までは語り手の変わる一人称叙述型。前作『夜行観覧車』では三人称叙述型。そして『往復書簡』では書簡体。まあ、書簡体は広い意味で一人称叙述型と言えるだろうが、新鮮味がある。
どの作品もおもしろい。映画にもなって話題になりすぎの感もある『告白』はまぐれではなかった。むしろ、『告白』は若干力任せの感がなくもない。
ますますこれからが楽しみだ。あまり多作にならずにゆったりしたペースでいいから、レベルの高い作品を書き続けていって欲しいと思う。

6冊全てオススメ。今のところ打率10割。
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