10月3日(日)、せんくらもいよいよ最終日。
今日で終わりか、と思うと淋しさが募る。
帰り支度をして、仙台駅で荷物をコインロッカーへ。駅ビルのキリンシティでモーニングを摂る。ハートランドがあったので思わず注文してしまった。朝っぱらからビール飲むなよ。。。
【川久保賜紀・遠藤真理・三浦友理枝@仙台市青年文化センター 大ホール】
昨年仙台行きを決意させたのはこのトリオなんだよな。
仙台まで来た甲斐があった、と伝えたときの友理枝嬢のホッとしたような顔が昨日のことのように思い出される。あれから1年経ったのか。。。
美麗なルックスの3人が集まったというお気楽さはない。選曲といい、演奏といい、本格派だ。
プログラムは以下の通り。
01.ブラームス:ピアノ三重奏曲第3番
02.ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第4番『ドゥムキー』
<アンコール>
03.ブラームス:ハンガリー舞曲第6番
ブラームスの3番は今年のツアーで披露された曲。『ドゥムキー』は彼女たちにとってせんくらが初演となる。CDに入っているラヴェルは敢えて封印。
ブラームス晩年の室内楽は難しいと思う。独特の枯れた雰囲気(季節で言えば晩秋)を出すのが難しい。ましてや若い奏者家では。。。そのあたりは彼女たちもわかっているのだろう。むしろ逆手を取るように若々しく情熱的に仕上げている。私はこれもアリだと思う。確かな技巧と類まれな美音によって紡がれた音楽には説得力がある。若いがゆえに未熟な部分はあるだろう。しかし、若いときにしかできない演奏というのもあるのだ。
『ドゥムキー』はソナタとしての三重奏曲ではなく、簡単に言ってしまうと6楽章から成るウクライナ舞曲集だ。広い意味ではもうひとつのスラヴ舞曲集と言ってもいいかもしれない。ドヴォルザークのメロディーメーカーぶりが存分に発揮された名曲だと思う。昔から好きな曲だ。
こういう曲は歌心が豊かでないと魅力が半減。音が荒れていてもダメ。リズム処理が悪いともっさりした印象になってしまう。彼女たちの演奏はそんなハードルをあっさりクリアーしている。陽気な部分ではノリノリに、哀しい部分では思い入れたっぷりに、メリハリの効いた演奏だった。
個人個人がどうというよりも、アンサンブルとしてまとまっている。今回はことに賜紀嬢のヴァイオリンの艶やかさが印象的だった。
あまり知名度が高いと言えない曲ばかりだったが、拍手がすごかった。いい音楽というのは有名無名にかかわらず伝わるものなのだな。もちろん、ヴィジュアル的に映えるという要素も無視できないだろうが、もう誰もアイドル的演奏家などとは思わないに違いない。
CDリリースのニュースを期待したいものである。
サイン会の列も長かった。
彼女たちとはここでお別れ。「次はフィリアで」と再会を約束して、次の会場へ。
(写真は初日の夜に仙台を歩き回って探したお菓子。ウケ狙いです。。。)
ちなみに、譜めくりはせんくらコミュの管理人さん。お疲れさまでした。
【イリーナ・メジューエワ@太白区文化センター 楽楽楽ホール】
せんくら最後に選んだのはロシア生まれのピアニスト、イリーナ・大和撫子・メジューエワ。
なかなか聴く機会がなく、昨年のせんくら前日に東京で聴いて以来となる。
プログラムは以下の通り。
01.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番『テンペスト』
02.ショパン:ノクターン第1番
03.ショパン:ノクターン第2番
04.ショパン:スケルツォ第3番
<アンコール>
05.ショパン:練習曲作品10-5『黒鍵』
折れてしまいそうなくらいひょろ長くて線の細い体のどこにあんなパワーがあるのかと思うくらい豪快にピアノを鳴らす。ピアノを存分に鳴らしきっている。かといって、音が濁るわけでもなく、クリアーで美しい。すごい迫力だ。もちろん、力任せとか、曲を捻じ伏せているとか、そういった印象は皆無。
すごいピアニストだという思いを新たにした。
『テンペスト』はCDでもいい演奏だったと思うが、大胆なアゴーギクを用いて、さらに説得力のある演奏になっていた。この曲はやはり第3楽章がいいね。
一転ノクターンでは転がるような音で魅了する。
スケルツォも聴きものだった。思えばメジューエワというピアニストの実力を知ったのはスケルツォ全曲を録音したCDだった。
圧倒されたというのが正直な感想だ。こんなすごいピアニストが日本を拠点に活動しているなんてマジに感謝したくなる。
演奏前の曲説明も流暢な日本語でお見事でした。
残念なのはサイン会がなかったことだ。次の会場に移動しなければならないというのでは仕方がない。
期せずしてマイミクさんご夫婦と2公演(前日からだと3公演)同じものを聴いたことになる。
トリオの演奏も気に入っていただけたようで嬉しいし、「メジューエワはすごい」ということで意見が一致した。
これでわれわれのせんくらの予定は全て終了。
「終わっちゃったな〜」と一抹の淋しさを抱えつつ、仙台駅に向かう。
お土産屋を見て回って、新幹線に乗った。もちろん、小さなレディへのお土産も忘れない。
楽しく充実した3日間だった。
初めて聴いたのは仙台フィルだけだから、ハズレがないのは当然なのだが、どれも内容が充実していたというのはやはり満足度が高い。
観光は全くできていないのだが、仙台のホールに関しては詳しくなったぞ、と。さらに地下鉄にも乗りなれたぞ、と。
早くも来年が楽しみだ。
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