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2010年03月20日22:31

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「美の巨人たち」、ハンマースホイ

今日の「美の巨人たち」はヴィルヘルム・ハンマースホイ(1864〜1916)だった。
デンマークの世紀末の画家。つい最近まで、日本に限らず忘れられた存在だった。

一昨年、上野の西洋美術館で展覧会が開かれていた。
その強烈な印象は今も記憶に新しい。

作品の多くが室内画で、ほとんどが人気のない室内を描いている。人がいるとすれば、それは妻のイーダだ。非常に緻密なタッチなのだが、どこか空間がねじれている。意図的に空間を歪めているとしか思えない。色合いは寒色系で暗く沈む。室内は最低限の家具しか描かれていない。さらに、繰り返し描かれる妻の姿のほとんどは後ろ姿である。ゆえに表情を汲み取ることができない。その画面からは意識的に物語性が排除されている。まるで時間が止まっているかのような感覚だ。覗き見たその部屋には生活感も温度感もなく、人物も永遠に動きを止めているかのようだ。しかも微妙に空間が捩れている。それゆえ、不安に感じる。喩えて言うなら、自分の存在が確かでないと感じる不安感ということかもしれない。

間違いなく世紀末の不安な時代を描いた画家だったということができると思う。

写真は展覧会の図録。終了後すぐに在庫がなくなり、今はプレミアがついているらしい。
画集とかも出ていないようなので、貴重だということなのだろう。
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