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2010年01月21日22:49

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『鳥のカタログ』リリース!

楽しみにしているうちに忘れてしまっていたのだが、意外に早くリリースされた。
メシアンのピアノ曲『鳥のカタログ』である。演奏者はメシアンのスペシャリストとしての評価も高い児玉桃(こだま・もも)女史。
そう、メシアン生誕100年にちなんだメシアン・プロジェクトで八面六臂の活躍をしたピアニストだ。ことに評判だったのが『鳥のカタログ』全曲演奏会だったという。

もう、一昨年のことになるのか…。

メシアン初期の大作ピアノ曲『幼子イエスに注ぐ20のまなざし』を聴きに行ったら、それがたいそう素晴らしく、勢いで『鳥のカタログ』チケットを買ってしまったのだ。
『まなざし』も全20曲2時間超えの大曲だが、全7巻13曲からなる『鳥のカタログ』は3時間近くを要する。まあ、ひとことで言うなら「凄い曲」だ。官能的で神秘的な『まなざし』が宇宙を表しているのだとしたら、『鳥のカタログ』はリアルな自然である。鳥たちの鳴き声を中心に自然にある音を平均律の権化たるピアノに置き換えたものと言えよう。
アナトール・ウゴルスキが弾いた録音をよく聴いていた。ことにコンサート前には予習を兼ねて毎日のように少しずつ聴いていた。
児玉桃さんの演奏は素晴らしかった。聴き慣れたウゴルスキの演奏よりもさらにしなやかに感じられた。音色の選択もとてもセンシティヴなものだったように思う。それに、この大曲かつ難曲を1日で破綻なく弾ききってしまうことに驚嘆した。

全曲のレコーディングをするという話は聞いていた。
時間がかかるのだろうな、と思っていたのだが、一気に録ってしまったようだ。
コンサートのときのような勢いがある。選び抜かれた音色と、正確なタッチ。女流ならではと言っていいのかどうかわからないが、繊細でしなやか。あるいは「綺麗すぎる」という批判もあるかもしれない。しかし、それのどこが悪い。綺麗すぎる、大いに結構。
コンサートと違って繰り返し聴くことができる。最高のプレゼントではないか。

では、ウゴルスキ盤はいらないかというと、もちろんそんなことはない。彼のゴツゴツした演奏もそれはそれで魅力的なのだ。
さらに日本盤に付いた解説書が充実している。全曲のタイムスケジュールに鳥の種類が記載されているのだ。つまり、CDプレイヤーの時間表示を見ながら、今のは何の鳥かというのがわかるのだ。これはガイドとして非常に有難い。

『鳥のカタログ』というと、もうひとつ忘れられない演奏がある。
昨年のリサイタルで三浦友理枝嬢が1曲『ダイシャクシギ』という10分ほどの曲を弾いたのだ。持ち前の美音を生かした非常にリリカルな演奏だった。可愛い顔してなんて曲を弾くんだ、と言いたくなるが、実は現代曲に強いのだ。そこが魅力でもある。
彼女の『鳥のカタログ』全曲を聴いてみたいと思うが、それよりも先に彼女が弾かなければならないのはリゲティの『練習曲』だと思う。磨き抜かれた美音と超絶技巧を要求するこの曲集こそ彼女にピッタリだと思うのだ。秋の「B→C」で聴かせてくれるのではないかと期待しているのだが…。

話がそれたが、『鳥のカタログ』は素晴らしい曲集だと思う。メロディー、ハーモニー、リズムといった概念を超えたところで成立している。自然の音はむしろ不協和音の方が多い。それなのに木々のざわめきや鳥のさえずりは心地よく聴こえる。この曲にも同じことが言えるのではないか。音楽を聴くというアプローチから少し離れてみると意外にとっつきやすいのではないかとも思う。
CD3枚組なので、簡単にオススメできないのがつらいところだが…。

『幼子イエスに注ぐ20のまなざし』のコンサートについて。。。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=967527831&owner_id=3696995

『鳥のカタログ』のコンサートについて。。。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=982243621&owner_id=3696995
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