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2009年09月12日23:29

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アルヴェーンという作曲家

アルヴェーンという作曲家をご存じだろうか。
1872年生まれのスウェーデンの作曲家。フィンランドのシベリウスやデンマークのニールセンの少し年下だが、同世代と言ってもいいだろう。日本ではほとんど知られていないが、北欧音楽ファンにとってはポピュラーな名前なのかもしれない。
代表作は5曲の交響曲といくつかの管弦楽曲。

名前だけはずいぶん前から知っていたが、ようやくその作品を聴くことができた。
なかなかいいんじゃないかな、という印象。
まず思うのが、オーケストレーションが巧みだということと、明確なメロディーが多いということ。要は聴きやすいのだ。そういう意味では未来を見据えて時代を動かした作曲家ではない。調性も明確で、ロマン派や国民楽派の流れを汲むものと言えよう。もちろん、時代のイノベーターでなかったからといって軽んじていいという理由にはならない。

4番のシンフォニーは傑作と思う。ソプラノとテノールのヴォカリーズ(歌詞のない歌唱)を配した単一楽章の野心作。とはいえ、場面転換も激しく、綺麗なメロディー満載なので聴きやすいことには変わりない。メロディーのレベルの高さはこの曲がいちばんかもしれない。ロマンティックな情緒に溢れた曲といえるだろう。華やかオーケストレーションが施されているにもかかわらず、寒色系な響きに感じられるのは北欧ゆえなのか。

アルヴェーンのシンフォニーはどれも40分以上を要する大作で、4番以外は伝統に近い4楽章構成となっている。つまり新鮮味はない。そうなると主題(メロディー)の質が作品のレベルを左右することになる。どのメロディーに魅力を感じるかで、どの曲がいいかというが決まるようだ。つまり、人によって異なると思う。とはいえ、どれも聴かせる作品なのは確かだ。
2番は気に入った。ちょっと切なくなるようなフレーズがさりげなくたくさん配されている。たおやかな第1楽章はシンフォニーの幕開けとしてはあまりにも美しすぎる。終楽章のプレリュードとフーガも深刻ぶらずに抒情的だ。
5曲の中で演奏機会がほとんどないという5番も傑作と思う。華やかさには欠けるが、そのぶん瞑想的なたたずまいが感じられる。暗く長い冬の訪れなのだろうか。シロフォンが活躍する第3楽章、ユーモラスな中にほろ苦さがあるのがいい。
どの曲もオーケストレーションは確かに巧みである。やや金管がうるさいように感じられなくもないが、十分にオーケストラが鳴るように書けているのではないかと想像する。

交響詩『岩礁の伝説』は4番のシンフォニーと対になる作品。これは本当に美しい曲だ。これを最高傑作と見るのもありのような気がする。
3曲あるスウェーデン狂詩曲も聴きものだ。中でも1番『夏至の徹夜祭』の評判が高い。しかし、初めてこれを聴いたときは驚いた。NHKの「今日の料理」の音楽とほとんど同じメロディーだったのだ。全く同じと言ってもいい気がする。『のだめカンタービレ』のドラマで、コンクールのときにのだめの頭にこびりついてしまったメロディーと言った方がわかりやすいかも。そのせいで普通に聴けない。。。最近ようやく慣れてきて、「今日の料理」ショックから立ち直るとなかなかいい曲だということがわかる。

というわけで、簡単にアルヴェーンについて書いてみたが、もっと広く聴かれていい作曲家だと思う。シベリウスやニールセンに次ぐ北欧の優れたシンフォニストと言えるだろう。
ネーメ・ヤルヴィ&ロイヤル・ストックホルム・フィルの交響曲全集盤がよい(というか、ほかの演奏を知らない)。国内盤は出ていないが、輸入盤5枚組で3000円程度だった。先述の管弦楽曲も収録されているお得盤だ。
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